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2019.04.30
リノベしてから気付いた「その対策忘れてた!」:老後編
リノベーションをして、大満足な暮らしが数年続いても「なるほど、こうなることは想定しきれなかった」と新たな改修を検討することもしばしば。
今回はリノベーションして10年後、様々考え直したご夫婦の例をご紹介します。
■いつまでも若くいたい気持ちをリノベーションに活かす
今回の事例は定年を迎えられたご夫婦。お子さんは既に独立しており、元々住んでいた一戸建ての家をフルリノベーションすることにしました。
親戚や友人の来客も多いため、リビング・ダイニングスペースをより広く開放的にリノベーション。
夫婦の寝室にも余裕を持たせ、子供部屋は実質必要なくなったため小さめな部屋に間取り変更を行いつつ思い出もあるため残すという判断をしました。
また、ご夫婦は「いつまでも若くいたい」という思いから、バリアフリー化は最小限にし、螺旋階段でアクセスするライブラリー書斎も作りました。
■老いを防いでも自由でなくなる時がある
今回の事例では「老い」を防ぐためにあえてアクティブに動く必要のある家設計を行っています。
しかし、ある日旦那様が交通事故に遭ってしまい足を骨折。リハビリで歩けるようになったものの、引きずる形となってしまいました。
階段こそ登り降りできつつも、螺旋階段は危険も伴うためライブラリー書斎へのアクセスはほとんどしなくなってしまいました。
「老い」を防ぐために言うならばライフハックのようにアクティブに動く家にしたわけですが、それ以外の要因でアクティブに動けなくなってしまったのです。
■いつまでも今が続くわけではない
今回の事例は「老い」を切り口としつつ、それ以外の要因で「老い」のような状況に陥ってしまったという例でした。
何でもかんでもバリアフリー化する必要はありませんが、身体の自由がいつまで続くかは誰もがわからないわけですので、バリアフリー化できる余剰を残した設計にはした方が良いでしょう。
今回の事例のようにバリアフリー化が不可能な螺旋階段などは、要検討と言っても過言ではないわけです。
■冒険心は素敵なのでそれをやめる必要はない
しかし、何でもかんでもリスクを想定していては実現したい夢のリノベーションからかけ離れてしまいます。
よってバリアフリー化を最優先するのではなく、理想を実現する中でバリアフリー化の余剰を設ける工夫をしていけば良いのです。
冒険心を持ってリノベーションをしつつ、今回の事例のようなことは0ではないと想定して工夫を重ねていってみてください。