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2017.09.01
今日の季節 11/27〜12/1 朔風葉を払う(さくふうはをはらう)
今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。 さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。 その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。 ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。 二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。 ほんの少し、いかがですか。
2017年11月27日〜12月1日頃 朔風葉を払う(さくふうはをはらう)
北からの冷たい風が、木々の葉を払い落とす頃です。 “朔”というのは陰暦で月の始め・ついたちという意味もあり、北の方角という意味も持っています。
この季節の養生
漢方では五臓六腑の『腎』が弱りやすい季節が冬ということは前回お伝えいたしました。 では『腎』の状態が華(輝き艶があり美しいという意味)となって現れるのは、『髪』です。ちなみに秋は肌でしたね。秋にも空気の乾燥や夏の紫外線の影響がダメージとなって現れる場合もありますが、基本的には腎の影響を最も受けていると漢方では考えます。 腎の弱りを感じやすいのは季節で言えば冬、人の一生で言えば老後だと、これも前回お伝えいたしました。漢方では女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢で体の変化があるとされており、女性は35歳、男性は40歳で老化が始まります。ですので、エイジングケアをするには漢方では腎を養生することが必須です。 一概に言えるものではありませんが、高齢になってくると髪が細くなったり薄くなったり白髪が増えるというのは腎が衰えてきているからと考えられます。年齢が若くても、日頃から気苦労が多かったりろくに休めずに疲れが溜まっていたりする時にも、髪のダメージに気づくことは多いのではないでしょうか。 『髪は血の余り』『精血同源』と言われ、髪が艶やかで量も豊かであるということは、血が豊富で滋養されているということです。血は精から作られるとされ、その精は腎で作られています。 だから腎を労ることが、美しい髪へとつながるのです。最近、髪が痛んでいるなと感じるのであれば、それは腎が痛んでいるのかもしれません。ゆっくりとリラックスできる時間を持ち、前々回にお伝えした腎にいい食材を取り入れて養生しましょう。
この季節の豆知識
“葉を払うほどの朔風”とは、いわゆる“木枯らし”のこと。 木枯らしというと、なんとなく冷たいだけでなく強めに感じる風をそう呼んでいる人も多いのではないでしょうか。 気象庁の定義でも、木枯らしとは「晩秋から初冬にかけて吹く、北よりの(やや)強い風」としています。この(やや)強い風というのは、風速8m/秒以上の北よりの風のことで、冬型の西高東低の気圧配置になった時に吹きます。この木枯らしによって、自然界の風景はさらに真冬へと近づいていきます。
この季節に一度は行ってみたい所
現代では、新暦の10月にその別名を“神無月”と呼んでいます。 新暦と旧暦が混在しているところが日本のややこしさでもあり、面白さでもあるのかもしれません。 さて、旧暦では今は10月上旬です。 10月は全国各地の八百万の神々が出雲へ出向不在となるため“神無月”といいますが、神様が集まる出雲では“神在月(かみありづき)”といいます。 そして、旧暦の10月10日〜10月17日に出雲大社をはじめいくつかの神社で『神迎際(かみむかえさい)』に始まり『神在祭(かみありさい)』『神等去出祭(からさでさい)』が行われます。 一般客も参列できるものもありますし、事前申し込みが必要な行事や一般客には非公開のものもあります。行かれる際には出雲大社などのHPをご確認ください。 今年の旧暦10月10日は、11月27日です。 参考文献 ・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版 ・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版 ・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative ・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版 ・『性味表大辞典』竹内郁子/青雲社 ・『中医薬膳学』辰巳洋/東洋学術出版 ・『実用中医学』辰巳洋/源草社 ・気象庁HP http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kaze.html ・出雲観光協会公式HP https://www.izumo-kankou.gr.jp/1275"