リノベーション地域情報
2018.10.05
海外経験者が語る!海外版リノベーション
SNSでも「海外インテリア」という言葉が注目されているように、おしゃれで海外にあるような家に憧れを持つ方も多いと思います。せっかくなら、海外ならではのユニークな住宅の背景を知ると、ぐんと雰囲気を再現しやすいかもしれません。オランダやドイツに在住した経験から、現地のインテリアやリノベーション事情をご紹介します。
目次
海外の家は、日本とどこが違うの?
ヨーロッパなどでは、古い家を直しながら受け継いでいくことに価値が置かれます。歴史的な街では建て替えができない規制も多いため、 建物が100年やそれ以上を超えるものも珍しくありません。
もちろん中身は古いままではなく、リノベーションやDIYで現代のスタイルにあった改装をしながら暮らしを楽しんでいます。内装だけでなく、間取りも大胆に変えてしまうことも多いため、同じ建物の中でも違う間取りの家ばかり。部屋探しもまるで宝探しのようなワクワク感があります。
多様な住まい方の形と家探しの方法
日本のように、一人暮らし用の住宅は圧倒的に少なく、単身で部屋を借りる場合はフラットシェアをするのが一般的です。ワンルーム+水回りのあるタイプは「Studio(スタジオ)」と呼ばれ、数が少ない上に家賃は割高でもあります。そのため個室が数部屋あるアパートメントをシェアで借り、キッチンやバスルームは共同で使うことが一般的なスタイル。国籍や職種を超えた交流ができるのもシェアの魅力の一つです。
シェアルームの部屋探しは主にインターネットのウェブサイトから。内覧希望をオファーし、返事をもらえたらやっと応募が可能です。Facebookの募集グループや、フリーマーケットサイトが使われることもあります。
家具付き・家具なし物件を選ぶことができる
部屋探しや、部屋を借りる際には、「Furnished(家具付き)」「Unfurnished(家具なし)」の項目があります。家具付きの場合は、ベッドやテーブルなどの家具に加え冷蔵庫や洗濯機、レンジ、食器など消耗品以外のものがすでに備え付けられているということ。スーツケースひとつで入居ができるので、初期費用がかからないのが魅力です。家具なしの場合は日本で多い賃貸物件のように、何もない状態から自分で家具や家電を揃える必要があります。
どんな家具や家電があるかは物件によって異なります。
注意しなければいけないのは、国によって「Unfurnished」の基準が異なる場合があること。ドイツではキッチンや設備もない場合があり、自分でキッチンや照明器具を取り付けなければいけないことも。またオランダでは床が貼られていない状態があり、床材を自分で手配しなければいけない場合もあります。
そして退去の際にはそれらも引越し先に持っていくか、そのままでいいかどうかを大家さんと交渉したりもします。
参考:オランダの家探しサイト(の公式インスタグラム) →家の写真が多く、事情がわかりやすいと思ったので...
funda
https://www.instagram.com/funda.nl/
huurwoningen
https://www.instagram.com/huurwoningen/
床が貼られていない例
https://www.funda.nl/huur/amsterdam/huis-40602891-stuurmankade-202/
ホームセンターはDIYやリノベーションアイテムの宝庫
ホームセンターは通称「DIYショップ」とも呼ばれるほど、多種多様な品揃え。日常のリペア用やパーツを揃えるだけでなく、洗面台やキッチン、バスタブの住宅設備から塗料、壁紙などの装飾の分野も豊富です。それだけDIYで手がける範囲が広く身近であることがわかります。
「こんなものまで!」というものも多数ありますが、自分たちの手でリノベーションを手がけるのはごく日常の範囲内。倹約家で、物を大切にする文化があるヨーロッパでは、新品よりもまずヴィンテージやセカンドハント(中古品)の家具を選ぶ人も多くいます。ペイントやリメイクをしながら、自分のオリジナル色を加えて思い思いにインテリアを楽しんでいます。
また賃貸物件であっても、大家さんの許可を得たり退去時に戻せば壁をペイントしたり、棚を取り付けたりすることもOK。家に合わせて住む、よりは自分たちらしくリノベーションをしながら暮らすスタイルが根付いています。
参考: Karwei (オランダのホームセンター)のDIY実例
https://inspiratie.karwei.nl/
Bauhaus(ドイツのホームセンター)
https://www.instagram.com/bauhausdeutschland/
オランダでのリノベーション例
石造りやレンガが使われ、古い家が多い国外の家。街並み保存の条例があるような街では、外観はそのままに、中はモダンに改装されている例がたくさんあります。屋根裏の梁や装飾的な窓、階段などは存在感が生かされて味わいが深まっている家も。
温水暖房やセントラルヒーティングに変わってからは使われなくなった暖炉も、スペースや面影は残し家の中のシンボル的なアクセントになっています。
インテリアのトレンドは毎年変わるものの、ホワイトがベースのシンプルモダンなスカンジナビアンインテリアは近年人気のテイスト。そこに自分の好みのアクセントカラーを加えて個性を演出しています。
そしてどの家も、自然光を取り入れることを意識されています。
間口が狭く、奥行きのある作りや半地下を使うことも多い建物では、天窓やガラス張りの床を取り入れてなるべく家の中が明るく心地よくなるような工夫も見られます。
参考: https://www.instagram.com/p/BnRa6Rolir4/?taken-by=vtwonen
https://www.instagram.com/p/Bl01sB2l3dm/?taken-by=vtwonen
地下への床の明かりとり
https://www.funda.nl/huur/verhuurd/amsterdam/appartement-86234085-eerste-jan-van-der-heijdenstraat-42-h/#foto-4
https://www.funda.nl/huur/verhuurd/amsterdam/appartement-86234085-eerste-jan-van-der-heijdenstraat-42-h/#foto-5
まとめ
持ち家や賃貸物件に関わらず、古い家を受け継ぐ文化が根付いているヨーロッパ。リノベーションやDIYはとても身近で日常の一部でもあります。時に不便さを感じながらも、工夫をしながら自分らしく暮らせるスタイルを作りあげていくのも楽しみのひとつ。
海外インテリアの味わいやおしゃれさは、過去に手をかけながら住んできた面影やストーリーもエッセンスのひとつです。アンティークやヴィンテージの味わいを楽しむように、元の建物を生かしながら新しい空間を作り上げていくリノベーションで自分らしいインテリアを実現させてみませんか。