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設計士視点からの家造り

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設計士視点からの家造り

誰しも新築住宅には憧れを持つのではないでしょうか。理想の家庭像、将来設計、何十年後の自分など様々な要素が絡む新築住宅。それらを作り出す建築士の視点から、私が設計した物件の一例について話していこうと思います。

家を建てるときのポイントはどのような内容だと思いますか。

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店舗兼住宅の設計をしました。

設計士視点からの家造り"

まず、私が建築士として設計した家は新興住宅地の敷地であり、商業施設や公園も近くにある場所に建っています。
建築物自体は、2人娘を持つ夫婦と祖父の5人家族の住宅です。1階の正面が店舗になっています。

おばあちゃんの要望で、外観は和風が良いという事でしたので、黒色の木目で外観を覆って、瓦葺きで設計しました。

おばあちゃんの住みやすい住宅を設計して欲しいという夫婦の要望に関しては、バリアフリーに配慮して、おばあちゃんの生活動線を1階のみに集中させ、段差のないよう設計しました。

こだわったこと

設計士視点からの家造り"

こだわったポイントは、レベル差を利用して、家族のプライバシーを確保しつつ、互いの存在を確認し、安心して生活できるよう設計した事です。

コの字形の住宅を設計し、おばあちゃんの寝室や生活空間と、親夫婦のリビングは1階に配置しました。
夫婦がおばあちゃんや子供達の存在を確認しやすいよう、裏玄関(北側)から入ったすぐのところに夫婦リビングを配置し、おばあちゃんや子供達が家を出るときや帰ってくる様子を感じる事ができるようにしました。

しかし、全員のプライバシーを確保するため、夫婦のリビングを廊下から300㎜程下げて計画し、視線が同じレベルで直接合わないようにしました。夫婦リビングは北側に配置してありますが、コの字形設計のため十分に採光を確保する事ができます。

また、おばあちゃんの生活動線は、裏玄関からコの字形に進んでいくと寝室があり、一番奥が店舗となっています。その間のレベル差は一切ありませんが、店舗部分は外とのレベルとほぼ同じにしており、おばあちゃんの生活部分と約500㎜の差があります。
レジやお客様との会話もおばあちゃんは自分の生活スペースで行う事ができるような設計にしています。
このレベル差により、店舗側(南側)には大きなガラス戸の入り口を設けていますが、外部の人と直接視線が合うことがなく、互いのプライバシーを確保できます。

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次に子供達の生活については主に2階で行います。裏玄関から入ってすぐ、夫婦(親)の存在を感じながら階段を上がり、12畳のスペースが寝室です。

そこから700㎜上がったところに、子供達の勉強部屋兼自由空間を設けています。
700㎜という段差を活用し、段差を机にして、椅子を配置して使用できるようにしました。

また、寝室と勉強部屋の間には壁を設けず、450㎜間隔の板を配置し、本棚として利用できるようにしています。子供達の部屋と1階のリビングは、壁がなくレベル差でのしきりとなっているので、親夫婦が子供達を呼ぶ際にも声がすぐに聞こえるようになっています。

苦労したこと

逆に、この家で苦労したポイントは、レベル差の納まりが難しかったところです。

また、この住宅は、視線は直接合わないが、互いの存在を感じることができる住宅を設計するというコンセプトを前提に様々な工夫を凝らしました。
しかし、壁をつくると個の部屋として閉じた空間が出来上がってしまうし、壁を作らないとプライバシーの確保ができないという葛藤がありました。

最終的には、壁をできるだけ少なくしながらも、レベル差や棚などで空間分けを行い、個のスペースを作り出すよう工夫しました。

もう一つ難しかったところは、姉妹の一人がおばあちゃんの店舗の手伝いをよくしているということで、店舗と女の子の動線やつながりをどう完結させるかということでした。
最終的に、2階を中心として生活する女の子が直接店舗の入り口へ繋がる階段を勉強部屋につくることになりました。
女の子の動線は、学校から帰宅すると、裏玄関から入り、親夫婦にただいまの挨拶をして2階へ上がります。その後宿題などをすませて、宿題部屋から階段を使い店舗へ降りるという導線です。

親夫婦にこの提案をした時、できれば階段を一つにして欲しいという要望が出ましたが、女の子が裏玄関から入ったところにしか階段が無いと、店舗までが遠回りすぎるので手伝いに行くのが億劫になるという意見があり、そちらを採用されました。

最終的に親夫婦も、女の子が家に帰った時に帰宅したことが確認できれば安心ですしそれで大丈夫ですと言われていました。
 

今後の住宅の使われ方

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実際に住み始められて、どのような感じかお尋ねしたところ、おばあちゃんのバリアフリーに配慮し、かつ外部の人とのプライバシーや家族のプライバシーを確保してあり満足だと言っていただけました。

また、子供達も熱心に勉強できる環境が整いましたと言われました。

今後、DIYなどで良くしていきたいところは、子供の勉強部屋に設置した本棚や、レベル差部分に設計している棚などはカスタマイズして使用できるようにしているので、棚の幅を変更したり、生活の用途に応じて大きさなどを変更していけたりしたらといいのかなと思っております。

ぜひ、新築住宅を計画される際の参考にしていただければ幸いです。

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BeatHOUSEで日々奮闘するスタッフたち。わくわくすることを常に探しています。

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  • 日刊Sumai編集部

    自分らしい家づくり、住宅事例やリノベーションなどの情報を発信。ライター多数在籍

  • 山口 奈緒子

    大学院で空間デザインを専攻。輸入家具店にて勤務後、リノベ不動産でワクワクする住空間を全国へ広めている

  • 萩原 和

    リノベ不動産にてリノベーションを多数ご提案。その後マーケティング部で&Renoの企画に携わる

  • 山下 さと子

    建築学科卒業、不動産ディベロッパーなどで働いた後、web業界へ転向しフリーランスへ。一児の母

  • 神木 千鶴

    専門商社で営業職に従事、その後出版業界でディレクター・ライターとして勤務。子育てサークル代表