リノベのハウツー
2020.11.03
硬化剤?2液型塗料を使うメリットとは何か
一戸建ての住宅の外壁にはタイルなど特殊なものを選ばない限り、多くは塗装が施されていますが、その役割は見栄えを良くするためだけではありません。塗装の重要な役割のひとつは外壁材を雨から守ること。塗装の劣化は外壁材自体にダメージを与えてしまうからです。
それだけに外壁の再塗装は欠かせないのですが、悩んでしまうのは塗料の選択でしょう。カラーだけでなく塗料の種類も様々です。ここでは硬化剤を使う2液型塗料についてご紹介します。
塗料の種類は色々あってわかりづらい!
塗料には「水性・油性」以外にも「フッ素・シリコン・ウレタン・アクリル」など様々な種類があるのですが、これらの選択はカンタンです。
耐久性だけで言うなら「水性≦油性」ですし「フッ素>シリコン>ウレタン>アクリル」。
塗装する箇所と予算に合わせて選べばよいのです。しかし、悩ましいのはそれ以外にも「1液型・2液型」があること。いったいどちらを選べばよいのでしょうか?
硬化剤が別になっている塗料=「2液型」
塗料は膜を作ることで外壁の下地を守っていますが、この膜を固める効果があるものを「硬化剤」と呼びます。硬化剤が別になっており、直前に混ぜ合わせて使う塗料を「2液型」。あらかじめ硬化剤が含まれている塗料を「1液型」と呼ぶのです。
現在使われる塗料のほとんどは1液型です
硬化剤を一定の割合で混ぜながら使う2液型は、使い勝手が悪いという声もよく聞かれます。そのため現在、外壁塗装で使われている塗料のほとんどが1液型のようです。では、2液型を使うメリットは何でしょうか。考えていきましょう。
硬化剤別の2液型塗料を使うメリット
1液型の性能が上がった現在、2液型塗料を使うメリットはほとんどないのですが……あえて言うなら以下のメリットが考えられるでしょう。
仕上がりが早い
2液型塗料は硬化剤を混ぜた時から硬化が始まりますから、すぐに仕上がるというメリットもあります。仕上げに使う塗料以外に、下地用のシーラーやエポキシ樹脂塗料にも2液型があるのですが、早く仕上げ塗料を塗りたい場合には2液型を選択しますし、この場合のメリットは大いにあると考えられます。
信頼性が高く感じる
外壁用の塗料といえば、元々2液型しかありませんでした。なぜなら、高い耐久性が要求される外壁には頑丈な塗膜が必要だったから。あらかじめ硬化剤が入っている1液型塗料が造る塗膜の信頼性は当初は低かったという経緯があります。
とはいえ1液型塗料が登場してから長い時間がたち、製品もずいぶん改良されました。メーカーが公表している耐用年数でも、1液型と2液型に差はほとんどありません。それでも昔からある2液型塗料に信頼性の高さ感じる方はいるようです。
特殊な下地でも塗装が可能
高層ビル用の外壁材など特殊な下地の場合、あらかじめ塗装は2液型塗料を指定してるものがあります。特殊な下地でも塗装ができるというのは、硬化剤を後で加えるタイプのメリットと言えるでしょう。
硬化剤別の2液型塗料を使うデメリット
2液型塗料には、使う前に硬化剤を加えなければならず、使い勝手が悪いという以外にも、いくつかのデメリットがあります。
すぐに固まってしまう
硬化剤を加えると固まり始める2液型塗料には、すぐに固まってしまうというデメリットもあります。いったん混ぜてしまうと使い切らなくてはいけないのが2液型塗料。多めに作るとムダになってしまいますから、塗料を用意する段階で職人さんの経験やカンが要求されると言われます。
作業を手早く終えなければならない
仕上がりが早いというメリットは、早く作業を終えなくてはいけないというデメリットでもあります。熟練の職人さんなら問題はなさそうですが、そうでもない職人さんなら早さを優先させてしまい作業が雑になる恐れもあるでしょう。
価格が高い
同じ銘柄の塗料でも1液型と2液型が販売されているのですが、2液型の方が1液型より1割ほど高い傾向にあります。1割程度とはいえ外壁など広い面積を塗装するのですから、大きな差になってしまいます。
まとめ
外壁の塗装を依頼した場合、色や水性・油性、フッ素・シリコン・ウレタン・アクリルの選択は必要になりますが、1液型・2液型の選択をしなければならないケースはほとんどないでしょう。硬化剤が別になった2液型はデメリットもありますので、黙っていると1液型で塗装してくれることがほとんどです。
しかし2液型の塗料がまだ製造され続け、売れ続けているのも事実ですから、2液型のメリットが大きいと判断されるケースもあり得ます。以上を読んで2液型のメリットの方が大きいと判断したならば、外壁塗装の際には硬化剤が別になった2液型を指定してみてください。昔気質の職人さんなら、喜んで応えてくれるかもしれません。