リノベのハウツー
2020.12.05
快適なトイレの広さって何畳くらい?トイレのサイズを検証してみよう
毎日家族全員が使う場所であるトイレは、広すぎても狭すぎても居心地の悪い空間になってしまいます。現代のライフスタイルを考えると、トイレの最適な広さはどれくらいなのでしょうか。今回はトイレのサイズを考える上での注意点や、意識したいポイントをご紹介していきます。
トイレのサイズは主に3種類
日本の住まいにおけるトイレの広さは標準化されており、一般的に3つのサイズがあります。団地や通常の賃貸マンションでは小さめのサイズ、戸建や高級マンションなどでは中くらいのサイズ・大きめのサイズのトイレを設置する場合が多くなっています。
マンションで広く見られる0.4坪型
奥行123.5cm×幅78cmの小さめサイズ。0.4坪と聞くと狭いように感じますが、賃貸マンションや戸建の2階に設置されるトイレ、階段下に設置されるトイレはこのタイプが多くなっています。トイレは広すぎても落ち着かないので、0.4坪でも十分に快適なトイレ空間を作ることは可能でしょう。
戸建で最も多い0.5坪型
戸建のメイントイレでは、奥行169cm×幅78cmの0.5坪型が多く見られます。0.4坪型に比べて奥行が深いので、タンク付きのトイレでも狭さを感じません。足とドアの間が広く、余裕を持って座れる点はメリットです。
バリアフリー対応もできる0.75坪型
一般的な住宅で見られるトイレの中で最も大きいのが、奥行169cm×幅123.5cm、0.75坪型のトイレ。0.5坪型と比べて幅が大きいため、壁面に手すりを設けて出入り口を引き戸にすることも可能で、バリアフリー対応に向いているサイズと言えます。収納スペースや手洗い場を設けても、狭さを感じない点も嬉しいところですね。
トイレ本体の寸法にも注目!
トイレ空間そのものの広さと合わせて確認したいのが、トイレ本体のサイズです。トイレ空間がどれだけ大きくても本体が大きければ有効スペースは小さくなってしまいますし、逆にトイレ空間が小さかったとしても本体がコンパクトであればスペースは十分に確保できます。
トイレ本体には、主に次の3タイプがあります。
・組み合わせトイレ:独立した便器、便座、タンクを組み合わせて使うタイプ
・一体型トイレ :便器、便座、タンクが一体化しているタイプ
・タンクレストイレ:タンクがなく、便器と便座が一体化しているタイプ
以前から広く見られるのが、一番上の組み合わせトイレです。組み合わせトイレは背面のタンクが大きいため、スペースが多めに必要となります。一方、タンクレストイレはタンクがない分だけコンパクト。これだけ聞くと、トイレ空間が狭い場合にはタンクレストイレ一択のような気がしてしまいますが問題点もあります。スペースを有効活用する上でのタンクレストイレの問題点については、後ほど解説しましょう。
気にしたいのはドアの位置と手洗い場の有無
トイレの最適な広さを考える上では、「空間自体の広さ」と「トイレ本体の大きさ」という2つの要素を意識する必要があるということがわかりました。しかし、それだけではトイレ空間の快適性を語ることはできません。ここからは、2つの要素以外に意識したいポイントを見ていきます。
タンクレストイレを設けるなら手洗い場の設置場所を確保
本体はコンパクトなタンクレストイレですが、有効スペースを考える上で注意が必要というお話をしました。ここで注意したいのが、手洗い場を設けるかどうかという点。タンクレストイレはタンクのあるトイレと異なり、本体に手洗い場がついていません。洗面所に隣接してトイレが設けられている場合はいいですが、トイレが独立している作りであれば、別に備え付けの手洗い場をつけなければならないのです。
どんなにコンパクトな手洗い場でも、それなりのスペースが必要になりますから、最も小さい0.4坪型だと狭く感じてしまう可能性があります。本体のコンパクトさだけでなく、付属設備のスペース感も考慮に入れなければならないのです。
ドアは基本外開き
家のトイレのドアは基本的に外開きであることが多くなっています。内開きだと便器に引っかかってしまい、開け閉めに障害があるからです。トイレ空間そのものには影響しませんが、前面の廊下の通行に影響を与えるかもしれない点には要注意。ドアの幅が廊下ギリギリだと、トイレから出た時に廊下を通る人にぶつかりかねません。空間に余裕があれば、トイレのドアは少し内側に入った場所に設置するのがおすすめです。
介護スペースが必要なら余裕を持って
最近では在宅介護をする人も増えていて、リノベーションを検討している人の中には介護を意識している人も多いのではないでしょうか。介護を受ける人が車椅子を使っている場合、トイレの横に車椅子をつけて、手すりを頼りに便座へ腰掛けるという流れになりますよね。
この場面を想像すると、車椅子を置くスペースや手すりを設置するスペースが必要になるため、最も大きな0.75坪タイプでもスペースが不足する可能性があります。要介護レベルの高い高齢者がいる家では、通常の家よりも一回り大きいスペースを意識すると安全です。
まとめ
トイレの広さは主に3種類とお伝えしましたが、快適と感じるトイレの広さは十人十色です。家族構成やライフスタイルによっても、必要な広さは異なってきます。また、一度大きさを決めてしまうと後から変更しにくいため、将来の使い方もある程度想像しながら広さを決定する必要があるのです。
今回ご紹介したポイントを意識して、自身や家族のライフスタイルにマッチするトイレの広さを考えてみてはいかがでしょうか。