リノベのハウツー
2020.10.21
住宅ローンを組んだら確定申告!すまい給付金をもらいましょう
年度末が近づくと、自営業の方たちは特に忙しくなります。なぜなら、確定申告の時期だから。1年間の所得や支払うべき税金を計算し、税務署に報告する時間をとられ、かなりの負担ではないでしょうか。
一方、サラリーマンは毎月の給料から税金が天引きされていますから、確定申告とはあまり縁がないかもしれません。しかし、住宅ローンを組むと身近になることのひとつが確定申告。
確定申告で住宅購入やリフォーム申請を行うと、国から「すまい給付金」を受け取れます。詳しく見ていきましょう。
確定申告で受け取りたい「すまい給付金」
2014年には8%、2019年には10%に消費税が引き上げられました。社会のために必要なこととはいえ増税は家計への影響も大きいですから、モノを購入しようという気持ちが萎えてしまいがちですね。しかし国はモノを消費して欲しい。みんなが消費を控えてしまうと、経済が成り立たなくなってしまう恐れもあるのです。
そのために様々な政策が取られていますが、住宅の購入を応援するのが「すまい給費金」です。消費税が8%に引き上げられたタイミングで期限付きでスタートしましたが、増税後の現在も継続中です。
そもそも控除とは何だろう
すまい給付金とは住宅ローンを組んだ方を対象に、所得税の対象額から控除される仕組みです。しかし、よくわからないのが「控除」。毎年、確定申告をおこなっている方なら、ご存知だと思うのですが、サラリーマンの方にはピンと来ない言葉かもしれません。
控除とは「(金額・数量などを)引き去ること」です。
所得税とは所得を対象にした税金ですが、全額にかかってくるわけではありません。所得から経費を引いた額に対してかかるのですが、それ以外にも引き去られる(控除される)ものがあります。
その一つが住宅ローン。住宅ローン減税制度「すまい給付金」という形で税金が返ってくるのです。
確定申告で報告しましょう
国土交通省のウェブサイトにはすまい給付金について「毎年の住宅ローン残高の1%を10~13年間、所得税から控除」と書かれています。しかし、国はその人が住宅ローンを組んでいるかどうかについて知ることができません。
そこで必要になってくるのが確定申告です。
「すまい給付金」のために確定申告でおこなうこと
住宅を購入し入居したなら、次の年の確定申告に書類を税務署に提出することで、すまい給付金をもらうことができます。新築一戸建てを購入した場合に必要な書類は以下のとおりです。
・住民票の写し
・ローン残高証明書
・登記事項証明書(登記簿謄本)
・源泉徴収票
・請負(売買)契約書
住民票の写しは市区町村役所、ローン残高証明書は金融機関、登記事項証明書は法務局、源泉徴収票は職場、といった具合に書類を手にするために申請する窓口が異なりますから、手間もかかりますが、その価値があるのが住まい給付金と言えるでしょう。国土交通省のウェブサイトによると最大で給付されるのは50万円。無視できない金額ではないでしょうか。
苦労して住まい給付金を手にした後に、手続きの面倒さにげんなりするかもしれません。しかし、確定申告手続きが必要なのは入居した翌年のみです。サラリーマンならば、2年目からは年末調整で対応してくれますから、手間はぐっと軽くなるでしょう。
新築以外で控除の対象になるケースとは
新築の住宅を購入した場合でお話してきましたが、それだけが所得税の控除の対象ではありません。中古住宅の購入やリフォーム・リノベーションも、いくつかの条件を満たすことで、すまい給付金の対象になります。
中古住宅で必要になる条件
中古住宅の購入ですまい給付金の対象となるには、現在の耐震基準をクリアしていることが条件のひとつ。確定申告時には、「耐震基準適合証明書」などの書類も必要です。
リフォーム・リノベーションで必要になる条件
リフォーム・リノベーションの場合も、すまい給付金の対象となるための条件がいくつか定められています。そして、定められている条件は幅広く、リビングやキッチンなどを全面的に手を入れたり、バリアフリーや省エネのためのリフォームも対象になるのです。
とはいえリフォーム・リノベーションを依頼する際には、すまい給付金の対象になるのかどうかを事前に確認することをおすすめします。
一括で支払っても確定申告を!
すまい給付金を手に入れる事ができるのは、ローンを組んで住宅を購入した場合だけではありません。一括で購入した場合も制度の対象になります。
この場合も住宅を購入したことを、確定申告で国に申請しましょう。時期や必要な書類等はローンを組んだ場合に準じます。
まとめ
「まあ、面倒!」すまい給付金受取りのために確定申告を行うと、こんな感想を漏らす方も多いようです。しかし給付される金額は、最大で50万円。申請者の収入に応じて支払われますから、給付額は状況により異なりますが、おろそかにはできない金額と言えるでしょう。
住宅の購入やリフォームの際には、ハウスメーカーなどの業者から何らかの説明があるとは思うのですが、住まい給付金についての基礎知識は、施主さん側がぜひ持っていたいものですね。