リノベのハウツー
2020.05.23
家のリノベーションの基礎知識。どんな時にどんなリノベをすると良い?
「リノベーション」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?オシャレなウッドデッキを作ったり、キッチンを使いやすく組み替えたり、思い切って間取りを変えるような工事をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。
でも、「どういう時にリノベーションをするの?」「どんなリノベーションができるの?」ということはハッキリしていないこともあるでしょう。
そこで、今回は家をリノベーションするタイミング、そしてどんなリノベーションがオススメされているのかをご紹介します。リノベーションをあまり知らない方に向けて、基礎知識も簡単に解説していきます。
リノベーションとは?リフォームとの違い
リノベーションとリフォームの違いには、明確な定義はありません。会社などが個々の裁量で使い分けているのが現状です。しかし、おおむね似通った使い分けがなされています。
【リノベーション】
大規模な改修であることが多く、一般的に住み心地や機能の向上のための工事とされています。間取りの変更など、「住まいの価値」を高める内容を、リノベーションと呼ぶ傾向があります。
【リフォーム】
一般に、既に損なわれた機能を回復させる時に使われるとされています。古くなった浴室、キッチンの取り換え、外壁などの塗りなおしが該当する傾向にあります。
なお、リノベーションに携わる事業者が加盟している「リノベーション協議会」では、次のように分けています。
リノベーション…機能、価値の再生のための改修。その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修
リフォーム…原状回復のための修繕営繕不具合箇所への部分的な対処
(出典:リノベーション協議会「リノベーションとは」 )
リノベーションとリフォームの、おおまかな違いをお分かりいただけたでしょうか。「もっと快適な暮らしがしたい!」と考える方なら、リノベーションを検討しても良いでしょう。ただ、少し注意が必要です。リノベーションは、良い事だけではないのです。
家をリノベーションするメリットとデメリット
リノベーションを検討している方にとって、リノベーションすることでどんなメリットやデメリットがあるのかは大きな関心事ではないでしょうか。ここでは、リノベーション全般において考えられる、メリットとデメリットをお伝えします。
リノベーションのメリット
【設計の自由度が高い】
水回りの位置を含めた間取り変更などによる自由度の高い設計は、自分の夢を叶えるために有効な方法。大幅な改修に伴って、デザインも自分好みに考えることができる場合もあります。
【中古物件を低コストで入手】
中古の物件をリノベーションして住む場合、新築よりもコストを抑えられる可能性があります。一般的に、中古物件をリノベーションして住む場合、新築に比べて2~3割安いとも言われています。建物よりも土地が気に入った場合にも、この安さは魅力と言えるでしょう。
【物件の選択肢が豊富】
基本的に、中古物件は新築物件よりも数が多いと言われています。「住みたいエリアの物件が軒並み高い!」「良い立地の物件だけど、設備がイマイチ…」そんな時は、中古住宅のリノベーションも検討しても良いかもしれません。
リノベーションのデメリット
【想定外の費用がかかる場合がある】
床や壁を解体したら柱が傷んでいたり、水回りの工事を開始してから配管の劣化が判明したり。表面的には問題なく見える家でも、内部の傷みがリノベーションし始めてから判明する場合があります。傷みの修繕に別途費用がかかり、工事費が想定以上の額となることも。
【中古物件の耐震性が低い場合がある】
耐震基準が見直された1981年。それ以前の古い物件では、耐震性能に難がある場合があります。安全に住むためには耐震性を高める工事が必要となりますが、費用がかさみます。建物の耐震性がどの程度かを詳しく知るためには、ホームインスペクター(住宅診断士)などの専門家に依頼する必要があります。
【住むまでに時間がかかる】
リノベーションにかかる期間は、工事の規模にもよりますが一般に1~3か月程度の期間が必要と言われています。家屋の調査や設計、工事などが必要となるため、すぐに引っ越ししたい方には向かない一面もあります。
リノベーションのメリットとデメリットを解説しました。自由度と引き換えに、長い工期や想定外の出費やがあり得るなど、良い事ばかりではないのがリノベーションです。少しハードルが高く感じられたでしょうか?
ただ、そのハードルを乗り越えてでもリノベーションをすると良い場面があるのも事実です。次は、リノベーションをオススメしたいケースを見てみましょう。
どんな時に、どんな家をリノベーションするといいの?
「どんな時にリノベーションすればいいの?」と悩む方へ。ここでは、リノベーションをオススメしたいケースをご紹介します。リノベーションは計画が大切。どんなタイミングでリノベーションに踏み切ればいいのか、その例をお伝えします。
【安く好きな土地に家を持ちたいとき】
既にご説明したとおり、中古物件をリノベーションすることで好きなエリアに安く住める場合があります。すぐに住む訳にはいきませんが、コツコツと調査や計画をこなせる方なら理想の家に住むことも夢ではありません。
【家の老朽化が進んだ時】
家の寿命は、一般的に約30年と言われています。この時期になると、大規模なリノベーションを検討しても良いでしょう。家は湿気による腐食やカビ、害虫にさらされています。家の基礎部分の劣化は危険を招くため、放置しないことをオススメします。
【ライフスタイルが変わった時】
子供家族との同居、または親や自分の体力の変化に合わせて改築するのも1つのタイミング。住まいの空間を区切る、広げる、バリアフリー化するなど、リノベーションの自由さが活かされるタイミングと言えるでしょう。
目的別、オススメのリノベーション
リノベーションには全面改修から、部分的な増築・改築まで様々なものがあります。最後に、どんな場合にどんなリノベーションがオススメなのかご紹介します。
【中古物件にオススメ、フルリノベーション】
フルリノベーションは、住まいの内装を取り払って骨組みにし、間取りなどを変える大規模なリノベーション。一度建物をスケルトン(骨組み)の状態にすることから、スケルトンリノベーションとも言われています。安く中古物件を手に入れて、自分好みの家にする時にオススメのリノベーションです。
【ライフスタイルの変化に。増築リノベーション】
家族構成の変化に応じて、家を増築するリノベーションもできる場合があります。子供夫婦と同居する、両親と同居するなどのライフスタイルの変化に応じたデザインも同時に考えると良いでしょう。増築は床面積が増えますので、土地面積における建物面積の割合、建ぺい率の上限に注意が必要です。
【マンションのリノベーションをしたい時は?】
マンションは、一般的にリノベーションの自由度が低いとされています。管理規約で禁止や制限されているケース、構造的に水道管の位置を変えられないケースがあり、一戸建てほどには理想を叶えられない場合があります。
まとめ
リノベーションとは、一般的には大規模な「住まいの価値を高める」工事とされるもの。間取り変更など、理想の住まいにできるチャンスでもありますが、費用や期間など考えることも少なくありません。
この記事ではどんなケースでリノベーションが行われるのか、どんなリノベーションがあるのかを解説しましたので、これからの指針としてお役立てください。