リノベのハウツー
2020.04.25
住宅ローンの金利タイプについて知りたい!変動金利とは何?
住宅購入の際に多くの人が借り入れる住宅ローン。住宅ローンを選ぶ際、金利タイプは迷いどころです。金融機関から変動金利を勧められる場合も多いですが、果たして変動金利とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、変動金利の特徴やリスクなどについて徹底的に解説していきます。
変動金利はこんな金利タイプ!
はじめに、変動金利というのがどのような金利タイプなのかご紹介していきましょう。
変動金利と固定金利
住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて変動金利型・固定金利型・固定金利選択型という3種類があります。それぞれの特徴を簡単にまとめると次の通り。
●変動金利型:市中金利の上下に連動して、借入期間中の金利が変動するタイプ。
●固定金利型:借入期間中の金利が一定になるタイプ。
●固定金利選択型:当初一定の特約期間は固定金利で、特約期間終了後に改めて変動金利か固定金利かを選択するタイプ。
・参考:全国銀行協会「【90秒でわかる!】住宅ローンの金利タイプ」
変動金利のメリット
上記の通り、変動金利では市中金利の状況に応じて金利が変動します。そのため、次のような点がメリットと言われるのです。
●金利が高い時に借りても、返済期間中に金利が下がると返済額が少なくなる。
●他の金利タイプに比べて、当初の貸出金利が低めに設定されている。
一般的に、将来的な金利ダウンが見込まれる状況では変動金利が有利とされます。
変動金利のデメリット
金利下降局面では有利に働く変動金利ですが、裏を返せば、上昇局面ではデメリットがあると言えます。
●返済期間中に金利が上昇すると、返済額そのものが増えてしまう。
●金利の変動によって返済額が変化するので、最終的な返済額が分からない。そのため、返済計画が立てにくい。
2つ目のデメリットについては、金利が急激に変動して返済額が急上昇するようでは、返済計画が破綻してしまいます。これを防ぐため、一般的に「金利の見直しは年2回」「返済額は5年間固定」といったルールが定められている場合がほとんど。
また、5年に一度の返済額見直しにあたって、際限なく返済額が上昇してしまうと返済困難になってしまう危険性があります。これについても、「返済額見直しは前の返済額の125%を上限とする」というルールが設定されているのです。
・参考:りそな銀行「変動金利型の仕組み」
それでも選ばれる変動金利
このようにデメリットもある変動金利ですが、実は近年、多くの人が変動金利を選択する傾向にあります。
住宅金融支援機構が実施した調査によると、2018年度の住宅ローン新規貸出において、変動金利のシェアは実に70.4%。次いで固定期間選択型が24.6%、全期間固定型はわずか5.0%に留まっています。2015年度から変動金利が全体の5〜7割を占めていて、変動金利が多く選ばれる傾向は変わっていません。
昨今の日本は、過去最低水準とも言われる超低金利時代。この状態はしばらく継続しており、これから数年先までは大幅な金利上昇が考えにくい状況です。本来「低金利の時は固定金利を選択する」というのがセオリーですが、それは低金利時代の後に上昇局面がやってくるという前提があるからこその話。
現在は、今後もしばらく超低金利時代が続くと判断できる状態なので、当初の貸出金利が低い変動金利の方がお得と考えて選択する人が多いのです。
リスクもある変動金利
ただし、変動金利には潜在的なリスクがあるということを忘れてはいけません。
金利が上昇するとなかなか元金が減らない!
最も大きなリスクが、金利上昇によって返済額に占める利息の割合が大きくなるということ。住宅ローンを借りる場合、月々の返済額が一定になる「元利均等返済」を選択する人が多いでしょう。
上図の通り、元利均等返済は月々の返済額が一定であるため、当初は元金の返済に充当される分が少ないという特徴があります。
仮に借入期間中に金利が上昇したと考えると、どうなるでしょうか。年2回の金利見直しの度に利息部分の支払いが増えることになるので、いつまでも元金部分が減らない危険性があるのです。最悪の場合、返済期間が満了になっても元金部分の返済が完了せず、最後にまとめて残金を支払わなければなりません。
借り過ぎリスクも!
変動金利におけるもう一つのリスクが、返済能力以上に借り過ぎてしまう可能性があることです。
例えば、先ほど取り上げたりそな銀行の住宅ローンを見てみると、借入金額の欄に「年間元利金返済額の割合が税込年収の35%以内」という記載があります。
元利金返済とは元金部分と利息部分の合計であり、月々の返済額のこと。つまり、当初金利が低い変動金利の方が利息部分が小さくなる分、元金を多く借りられるということになるのです。油断して借り過ぎると、金利上昇時に返済不能に陥る危険性もあります。超低金利時代だからこそ、気をつけておきたいリスクと言えるでしょう。
まとめ
最近の住宅ローンでは、7割もの人が変動金利を選択しています。お得なのは事実ですが、その分リスクもあるということは認識しておく必要があると言えるでしょう。
以上、今回は住宅ローンにおける変動金利とは何かについて解説してきました。