リノベのハウツー
2020.02.09
住宅ローンの返済方法!元金均等返済と元利均等返済は、結局どっちがお得なのか?!
住宅ローンを組む際、元金均等返済にするか元利均等返済にするか、というのは悩みどころの一つですよね。中には違いがよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、住宅ローンの返済方法について悩んでいる皆さんに向けて、元金均等返済と元利均等返済の基本と違い、さらには元金均等返済がどんな人に向いているのかについて、詳しく解説していきます。
住宅ローンの返済方法〜元金均等返済と元利均等返済とは?
冒頭でも書いた通り、住宅ローンの返済方法は大きく分けて「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があります。まずは、それぞれの返済方法について簡単に説明しましょう。
元金均等返済
元金均等返済を一言で表すと、毎月の返済額のうち元金部分が一定になる返済方法のこと。
住宅ローンの返済額は、元の借入金部分を返済する「元金」部分と、未返済の元金に対してかかる「利息」部分の合計になっています。
元金均等返済は元金部分の返済が一定金額になるため、返済が進んでくると、未返済分にかかる利息が減少。結果的に毎月の返済額が小さくなっていくことになるのです。
元利均等返済
一方の元利均等返済は、図のように利息+元金の合計額が一定になる返済方法のこと。
つまり、返済期間中の毎月の返済額は変化しません。
それぞれをわかりやすく比較!
元金均等返済、元利均等返済がそれぞれどのようなものかわかったところで、どういった違いがあるのか比較してみましょう。
毎月の返済額
まず、両者では毎月の返済額が大きく異なってきます。それぞれの図で返済期間初期(A)と返済期間後期(B)について見ていくと、違いが分かりやすいでしょう。
元金均等返済の(A)においては、ローン残高がまだ大きいため利息が多くかかり、毎月の返済額が多めになっています。ところが、返済が進んだ(B)を見ると、ローン残高に対してかかる利息額が小さくなるため、むしろ毎月の返済額が低くなっていることがお分かりいただけるでしょう。
このように、元金均等返済は返済が進むほど、毎月の負担が小さくなるという特徴があります。
ただし、返済金額が毎月変わることになるので、将来に向けての返済計画が立てづらいというのはデメリットと言えるでしょう。加えて、返済期間当初は利息部分が大きいので、元利均等返済に比べて毎月返済額が大きいというのもポイントです。
一方、元利均等返済においては(A)も(B)も返済額が変わりません。
元金均等返済のように途中で返済額が小さくなるということはないものの、最初から最後まで返済額が変化しないので、返済計画を立てやすいのが特徴です。
賃貸住宅の賃料や駐車場代のように、毎月かかる固定費として考えれば金銭管理が楽になるでしょう。
総返済額
つづいて比較したいのが、総返済額についてです。
先ほどもお話しした通り、返済額というのは元金部分と利息部分の合計。利息部分はローン残高に対してかかるものでしたね。
では、同じ期間で住宅ローンを組んだ場合、元金均等返済と元利均等返済で総返済額が小さくなるのはどちらでしょうか。
答えは元金均等返済です。なぜかと言うと、元金均等返済は元利均等返済に比べ、元金部分を早く返済できるからです。元金を毎月一定の金額で返済し続けているので、元金部分にかかる利息額の減りも大きくなるのです。
結果的に、利息の支払額が「元利均等返済>元金均等返済」となり、総支払額も元金均等返済の方が小さくなります。
こういう人は元金均等返済がオススメ
2つの返済方法の特徴と違いを説明してきましたが、元金均等返済はずばりどのような人にオススメと言えるのでしょうか。
将来的に経済負担が増える見込みがある人
まず、将来的に住宅以外の経済負担が増える見込みのある人は、元金均等返済が向いていると言えます。
たとえば、将来的に子供を持つ計画のある、子なし夫婦世帯などが当てはまるでしょう。この場合、子供が生まれると日々の生活費負担が増えますし、子供の進学に合わせて教育費もかかってきます。もしどちらかが仕事を休んだり辞めたりということになれば、収入が減少する可能性もあるでしょう。
こうなると、支払い能力が一番あるのは返済期間当初ということになります。よって、返済期間が進むにつれて返済額が小さくなる、元金均等返済が向いていると言えるのです。
返済期間中に家の買い替えを計画している人
つづいてオススメなのが、住宅ローンの返済期間中にマイホームの買い替えを計画している人です。
持ち家を売却する際、売却によって得た資金で住宅ローン残高を返済することになります。ところが、住宅ローンの残高が売却資金よりも多く残っていた場合、差額を別途負担しなければなりません。こういった状況を「担保割れ」と言います。
元金均等返済であれば元金部分の返済スピードが速いため、こうした担保割れを起こすリスクが低くなるのです。そのため、「終の住処」として家を購入する人は元利均等返済、数年で売却する可能性がある人は元金均等返済が向いていると言えるでしょう。
まとめ〜あなたの人生計画に応じて検討しよう
ここまで、元金均等返済と元利均等返済について詳しく解説してきました。
どちらの返済方法がお得なのかという視点で見ると、要するに人生計画によって異なってくると言えます。総支払額という面だけで見れば元金均等返済がお得ですが、返済期間当初に大きな金額を用意できない人であれば、元利均等返済の方が安全です。
それに総支払額を抑えるために、より短い期間の元利均等返済でローンを組むという方法もあります。
多くの人にとって、住宅は人生最大の買い物。あらためて人生設計をしっかり考えた上で、間違いのない住宅ローン選びを心がけましょう。