リノベのハウツー
2020.02.08
住宅ローンの金利はどうなる?気になる動向まとめ
住宅ローンの新規借り入れや借り換えを考える際、もっとも気になるのが金利の動向です。「昨今は超低金利時代である」という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
それでは実際のところ、最近の住宅ローン金利はどのような状況にあるのでしょうか。
今回は2019年の動向をおさらいした上で、2020年以降どのように変動していくのか、わかりやすく解説していきましょう。
超低金利時代が継続中
冒頭でもお話しした通り、昨今は「超低金利時代」と言われています。
これは、安倍内閣の経済政策「アベノミクス」の「三本の矢」と言われる政策の一つとして、2013年4月より実施された「異次元金融緩和」政策がきっかけでした。
簡単に言えば、銀行からお金を借りやすくして世の中に流通するお金の量を増やすため、市中金利を下げる方向に誘導したのです。
さらに2016年1月には、日銀によって「マイナス金利」が導入されました。これによって、金融機関は日銀にお金を預けていると金利を支払わなければいけないことになり、低金利で企業や個人へ積極的に融資するという流れが作り出されたのです。
この状況は、2020年に入ってもなお継続しています。異次元金融緩和政策の目標である「2%の物価上昇」は、いまだに達成されていないため、今後もしばらくは超低金利時代が継続するのではないかと考えられています。
2019年の動向をおさらい
そんな超低金利時代ですが、2019年の金利はどのような動向をたどったのでしょうか。
変動金利の動向
まず、変動金利の2019年の動向をおさらいしていきましょう。
変動金利の基準となる都市銀行の「店頭金利(基準金利)」は、2009年以降「年2.475%」で変わらず推移(出典:日本銀行「金融経済統計月報」)しています。
変動金利で住宅ローンを借り入れる場合、通常「店頭金利 − 優遇金利 = 適用金利」という式で計算されるので、実際には適用金利で借り入れることになるでしょう。
適用金利の動向は、2019年7月にジャパンネット銀行が住宅ローンに新規参入し、過去最低水準となる「年0.415%」を提示しました。それに追随するかのように、12月には住信SBIネット銀行が同じく「年0.415%」に引き下げを実施しています。
固定金利の動向
つづいては、固定金利の動向についてもおさらいしていきましょう。長期固定金利の代表格と言える「フラット35」における、2019年の金利推移は次の通りです。(いずれも融資率9割以下、新機構団信付きの場合)
このグラフからわかる通り、おおむね1.1〜1.45%程度を推移しており、非常に低い水準にあります。特に夏から秋にかけては過去最低水準を更新するなど、全般的に超低水準だったと言えるでしょう。
2020年以降はどうなる?
2019年は、変動金利・固定金利ともに過去最低水準を更新した住宅ローンの金利ですが、2020年以降はどうなっていくのでしょうか。ここからは、今後の見通しについてご紹介していきます。
2020年1月にいきなり動きが!
2020年の幕開けである1月、変動金利においていきなり動きがありました。
2019年に過去最低の金利水準で住宅ローンをスタートしたジャパンネット銀行が、それをさらに下回る「年0.399%」に引き下げたのです。(出典:ジャパンネット「金利」)2019年はジャパンネット銀行に追随する形で、ネット他行が金利を引き下げる動きが見られましたから、2020年も金利競争が起こる可能性があると言えるでしょう。
固定金利の動きは?
固定金利については先ほどのフラット35のグラフからもわかる通り、2019年9月・10月あたりを最低値として、若干の上昇トレンドにあります。
政治的・経済的に大きな変化は見込まれないので、相変わらず超低金利状態は続くと考えられますが、2019年のように過去最低水準を更新するということは考えにくいでしょう。
むしろ2019年の反動で、金利は小幅ながら上昇に転じるのではないかとの予想もあります。ただ、住宅ローンの借り入れを躊躇するほど大幅に上昇する可能性はゼロに近いと言え、依然としてローンは組みやすい状況が続くでしょう。
超低金利はいつまで続く?
2018年末あたりから、景気の現状や将来的な動向を占う「景気動向指数」の数値に悪化傾向が見られ、景気が足踏み状態にあると見られています。
こうした状況を踏まえると、今後数年間は急激な金利上昇が起こる可能性は低く、多少の上下はあっても超低金利時代は続くと考えられるでしょう。ただ、金利は底を打っているとも言えるので、どこかで景気回復の兆しが見えれば、上昇トレンドに入る可能性も十分にあります。
まとめ
今回は、住宅ローンを借り入れる際にもっとも気になる金利の動向についてご紹介してきました。
過去最低水準を記録した2019年に引き続き、2020年も超低金利で推移すると考えられます。しかし、一方でこれ以上値が低下するということも考えづらく、2020年以降は景気の状況次第で金利が上昇することも考えられるでしょう。
今後も金利の動向をしっかりウォッチしながら、後悔のない住宅ローン選びを心がけたいところですね。