リノベのハウツー
2020.01.26
住宅ローンとフラット35を徹底比較
2016年に日本政府がマイナス金利政策を導入して以降、住宅ローンの金利はかなり低い水準を保っています。通常、変動金利は金利上昇リスクが伴うものですが、なかなか引き上げられません。
金利の低下に伴い、住宅が買い時と言われています。しかし、一方で変動金利の不確定さは避けるべきリスクで、固定金利の方が安全という声があるのも事実でしょう。
そこで、この記事では銀行の住宅ローンと固定金利の代表格であるフラット35を比較解説します。
住宅ローンとフラット35のメリット・デメリットを比較
まずは、住宅ローンとフラット35 それぞれの主なメリット・デメリットを見てみましょう。
住宅ローンのメリットとデメリット
<メリット>
・変動金利は金利がかなり低い
<デメリット>
・固定金利は金利が比較的高め
・変動金利は経済状況の変化によって上がる可能性があり先行き不透明
・住宅購入後に金利が下がっても同じ銀行では借り換えができない
フラット35のメリットとデメリット
<メリット>
・返済期間中は完全に固定金利で資金計画を立てやすい
・住宅購入後に金利が下がったら新たな金利で借り換え可能
<デメリット>
・銀行の変動金利よりも金利が高い
・金利の支払い総額を考えると結果的に損をする可能性がある
金利は取扱銀行によって異なるので、あくまでも「こういう傾向が強い」とご認識ください。
住宅ローンのメリットは、何と言っても変動金利の低さと言えるでしょう。
住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローン利用者のほとんどが金利の低さを決め手としてローンを選んでいます。
(※引用:住宅金融支援機構 2018年度民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第2回))
なお、金利と比較すると割合はかなり減りますが、営業マンにすすめられたから・団体信用生命保険の充実という人も一定数いることがわかります。住宅ローンの選定にあたっては、良い営業マンと出会えるかどうかということも重要なポイントのひとつと言えるでしょう。
また同調査によると、銀行の住宅ローン利用者のうち、66.8%の人たちが変動金利のローンを利用しています。
(※引用:住宅金融支援機構 2018年度民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第2回))
JAバンクなど一部金融機関をのぞくと、半数以上の人たちが変動金利のローンを利用していることがわかります。
住宅ローンとフラット35の選び方
固定金利で住宅ローンとフラット35を比較すると、住宅ローンのプランによりますが、おおむねフラット35の方が低金利です。
・フラット35 1.16%〜1.82%
・みずほ銀行 1.17%
・りそな銀行 1.695%
※2019年12月現在
・フラット35とみずほ銀行は返済期間15年〜20年
・りそな銀行は返済期間15年・融資手数料型
住宅ローンも、プランによってはフラット35より金利が低い場合があります。しかし、審査基準が明確に公開されていないことが注意すべき点と言えるでしょう。審査を受けてみないと、利用できるか明確にわからないのが難点とも言えます。
住宅ローンとフラット35 あなたはどちらに向いている?
当面の金利を安くおさえたい人には、銀行の変動金利住宅ローンの方が向いていると言えるでしょう。一方、計画性やリスクの低さを重視したい人にはフラット35が向いているかもしれません。
フラット35の最大の特徴は、契約時の金利が返済完了まで完全に固定されるというポイントです。ただし、この固定金利は銀行の変動金利と比較すると倍以上に設定されている傾向があります。
・フラット35:1.16%
・ネット銀行の変動金利:0.45%前後
(※2019年12月現在 参照:住宅金融支援機構 フラット35ホームページ 価格.com 住宅ローン商品一覧)
そのほか、以下のような人はフラット35に向いていると言われます。
・健康状態に不安がある
・勤続年数が短い
・雇用形態が正社員ではない
特に、勤続年数と雇用形態についてはメリットが大きいでしょう。
国土交通省が実施した「平成30年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、回答した金融機関のうち、半数近くが「勤続年数は1年以上必要」と考えています。
(参照:国土交通省 平成30年度 民間住宅ローンの実態に関する調査)
転職をするとほとんどの企業では「試用期間」を設定します。一方、金融機関は、雇用と収入が不安定な状態によるリスクを嫌う傾向にあるため、転職直後の試用期間には審査通過が難しいとされます。
転職直後でも審査通過の可能性があるフラット35は、この点が大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ
住宅ローンとフラット35の二者択一を決定するには、まず以下のどちらを取るかについて判断することが必要でしょう。
・とにかく金利の低さを重視する
・金利上昇のリスク回避を重視する
もちろん、住宅購入と購入者の状況は十人十色で、万人共通の正解はあり得ません。あくまでも、何を重視するかによって取るべき選択肢は変わってきます。
ただ、多くの人が金利とリスクとの判断によって、銀行の住宅ローンかフラット35かの選択をしているのは事実でしょう。まずは、ご自身の状況を確認しながら判断することをおすすめします。