リノベのハウツー
2019.01.27
「リノベーション」の意味を改めて考えてみる
「リノベーション」てそもそも何なのだろう?
リフォームとの違いは?
高いの?安いの?
メリットはよく聞くけど、デメリットは?
工事はどれくらいかかるの?
今回は「リノベーション」という言葉をいくつかの切り口から考えていきたいと思います。
目次
■「リノベーション」とは?
そもそも「リノベーション」とは何なのでしょうか。
その定義を考えるに際して、まずは辞書で言葉を調べてみました。
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再開発。既存のシステムの一部を利用したり,それを創造的に破壊することによって新しいシステムを構築すること。都市開発,企業革新,事業革新,製品革新などさまざまな分野で用いられる概念である
出展:ブリタニカ国際百科事典[1]
[名](スル)
1 刷新。改善。
2 修理。修復。
[補説]近年では、建築物の改造についていうことが多い。特に、古い部分の補修や内外装の変更程度にとどまるリフォームに対し、増築・改築や建物の用途変更など、資産価値を高めるための大規模な改造をさす。
出展:デジタル大辞泉[1]
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この2つの出典をより要約すると「今あるものを、より良いものにする」になります。
建物の骨格や土台はそのまま、もしくは耐震補強を施して、その上で間取りを含めて新たな生命を家に吹き込むことになります。築年数が30年以上経っている家でも、新築同様の新しさとオシャレさを手に入れることができるのです。
なお&Renoでは以下のような説明も以前行いました。
「リノベーション」は、建物自体を大規模に回収すること。古くなったから直すということではなく、間取りやデザイン自体にも手を加えて生活の向上を目指すことです。つまりマイナスになっているものを一気にプラス転嫁するイメージです。
英語いうと「Renovation」で、これは日本語訳すると「刷新」に当たります。元通りではなく、元あるものをより良くすることというわけです。
ちなみに「リノベーション」においてよく出る懸念が、建物が中古故に自然災害に耐えられるのかというもの。「リノベーション」は、デザイン面に限らず耐震補強なども含まれます。よって、それらの施行も行うことで新築より安価で不安も払拭の上で真新しい家に住むことができるのです。
出典記事:意外と混同!リフォームとリノベーションの違い
https://renovefudosan.com/andreno/show/1552
なお、「リノベーション」という言葉は15年前に比べて実に5倍も検索されるようになってきています。
特に2012年-2013年頃からは「そういえば最近聞くようになったな」というSNSの投稿も散見されるようになってきています。
今ではリノベーション専門業者も増えてきており、古いものを新たに活かすという観点からも注目をされるようになってきています。
■「リノベーション」「リフォーム」「DIY」「建て替え」の違いは?
そんな「リノベーション」ですが、「リフォーム」「DIY」「建て替え」と混同されることが多いです。
◯リフォームとは?
リフォームは、古くなったものを元通りにすること、もしくは元の使い勝手レベルに引き戻す改修のことを言います。意外と「リノベーション」と混同されることも多く、実際はリノベーションであるにも関わらず「うち、リフォームするんだ」というように使われたりもします。
なお&Renoでは以下のような説明も以前行いました。
「リフォーム」は、基本的には古くなった家の部分を新築時の状態に戻すことです。賃貸マンションの原状回復も実質的に「リフォーム」です。マイナスになっているものを0に戻すというとわかりやすいでしょうか。
英語でいうと「Reform」で、これは日本語訳すると「改良」に当たります。改めて元の状態のように良くすることというわけです。
元通りに限らず、部分的な改良も「リフォーム」です。例えばお風呂場が古くなったため一式最新設備へ取り替えること。これは「リフォーム」ということになります。
出典記事:意外と混同!リフォームとリノベーションの違い
https://renovefudosan.com/andreno/show/1552
◯DIYとは?
最近よく聞く、「DIY」は「Do It Yourself」の略語です。つまり日本語に直すと「自分でやる」ということになります。
自ら木材やパーツを買ってきて、自らで棚を作ったり、家のカスタマイズをすることになります。
芸能人のヒロミさんが行われているDIYをイメージされる方もいらっしゃると思いますが、ヒロミさんのDIYはもはやプロレベルの出来です。
ちょっとした机のカスタマイズや、手作り本棚などでもDIYになります。
仮に家の全ての修繕・改修を自ら行った場合は「DIYIでリノベーション」ということになりますが、それができる方は一握りだと思うので、いったん切り離して考えておきましょう。
ちなみにDIYの語源は、第二次大戦後に戦勝するも瓦礫が多くなったロンドンにおいて元軍人たちが「何でも自分たちでやろう」と奮い立ち、自らの手で街を修繕していったことに起因します。
◯建て替えとは?
「建て替え」もよく耳にする言葉です。「建て替え」は建物を解体し、その場に新しく建てることを指します。つまり、古い住居を完全に取り壊してその場に新築を建てるということです。「替え」が付いてるので混同しやすいですが、「リノベーション」「リフォーム」「DIY」とは全く関係ない言葉になります。
■「リノベーション」のメリットとは?
続いて「リノベーション」のメリットについて考えていきます。
◯リノベーションのメリット1:コストを抑えられる
リノベーションは、大規模工事であっても既存の物件もしくはマンションに手を加えるので、全てを0から作り上げる新築に比べて大幅にコストを抑えることができます 。
特にマンションのリノベーションにおいては、マンションそのものの耐震補強など骨組みのリノベーションは基本的には行わないため、コストは中古一戸建てのリノベーションに比べて格段に安く抑えられるケースもあります。
◯リノベーションのメリット2:新築より 工期が短い
イノベーションは新築とは異なり既存のものに手を加えるためにその工事期間は短期間となります。 比較的小規模なリノベーションであれば1ヶ月もかからないケースもあり、長くとも3ヶ月程度が大半です。
◯リノベーションのメリット3: 制限がむしろイメージしやすくする
リノベーションは、全てを好きにデザインできるわけではありません。しかし、例えばマンションのリノベーションの場合は限られた空間だからこそ、その空間をどう理想的に変えていくかという思考が働きます。ですので、むしろ積極的に理想をイメージしやすくなります。
一戸建ての場合もほぼ同様で、家の柱などどうしても動かせない制限は生じますが、絵を限られたキャンバスに描くのと同様で、限られた中でこそ理想を描くことができるようになります。
◯リノベーションのメリット4:エコロジー
今の世の中、物を大切に使ったり、再利用したりエコロジーに関して謳われることの多い時代です 。
建物壊してゼロから新しいものを作るよりもリノベーションをすることで廃棄物の量を抑えることができるのです。
■「リノベーション」のデメリットとは?
続いて「リノベーション」のデメリットについて考えていきます。
◯リノベーションのデメリット1:制限が生じる
リノベーションのデメリットとしてまず挙げられるのは制限が生じるということです。これはメリットで記した制限とは異なるものです。
光や風など取り入れるべきものは、隣にある物件の影響を受けてしまうこともあります。マンションの場合ですと、窓の大きさを変更することなども難しいです。
メリットとデメリット双方で制限が出てくるのがリノベーションの特徴でもあるわけです。
◯リノベーションのデメリット2:強度によってはコストが嵩む
中古物件のリノベーションするに際して、耐震強度が著しく低い物件の場合は耐震補強をするに際してコストが大幅に嵩みます。中古物件においては、実際に想定したものよりも著しく劣化をしているということが決して稀ではなく存在するので、物件購入時に慎重に情報を確認すべきです。
■コストについての考え方
ここまで様々まとめてきましたが、多くの方が気になるのがコストではないかと思います。
これに関しては、新築物件でも、賃貸物件でも高いものもあれば安いもののあるので、絶対的な金額を明示することは難しいです。
例えば、リノベーションをするに際して、大規模な耐震補強が必要で、あらゆるデザインをこだわり、キッチン周りを高価な設備で固めた場合、安価な新築物件よりも費用が嵩むこともあります。
逆に、大きなこだわりはなく、デザインコストも抑えられる場合は非常に安価にリノベーションを行うことができます。
押さえるべきポイントは、同じ理想を求めようとするのであれば、新築よりもリノベーションの方が安く済むという点です。
土台を0から作り上げる新築と、ある程度土台のある上でより良いものに作り変えるリノベーションとでは、スタート地点が異なるわけです。ゴール向かうスタート地点が近いリノベーションの方が安価に済んで当然なのです。
■まとめ
様々なことを記してまいりましたが、「リノベーションにするか否か」や「どういうリノベーションにするべきか」は、正直人それぞれ、ご家庭それぞれの部分が大きいです。
そもそも理想の家を思い描くことが面倒な場合は、既にデザインされた分譲物件や賃貸物件を選ぶことが最大の理想となります。
また、理想が明確にあり、予算も天井が無い方はオリジナルデザインの新築を建てることが正解となります。
しかし、ある程度理想があり、かつ予算を抑えられるに越したことはないという方は多く存在しているはずです。
そういう方は是非リノベーションについて一度検討をしてみてください。まずは理想を思い描くところから。そのヒントとなる記事や事例を今後も様々お届けしていければと思います。