リノベのハウツー
2021.07.28
マンションオタが考えるvol.4|シングル女子が中古マンションを買うときのポイント~内見する物件を選ぼう 後編~
こんにちは! 宅地建物取引士・マンションデベロッパー歴7年、マンションオタクと言われて久しいtokoです。
今回はシングル女子がマンションを買うときのポイントについて考えてみたいと思います。
前回の記事(マンションオタクが考えるシングル女子が中古マンションを買うときのポイント~内見する物件を選ぼう 前編~)では、内見する物件の探し方や検索のポイントについてお話してきました。
今回は、実際に検索してヒットした物件情報のどこに注目すれば良いのか、確認すべきポイントを見ていきたいと思います。これぞ! と思う物件を見つけるために、まずは検索結果をしっかりチェックしていきましょう!
写真からわかること
検索結果の物件ページは、写真とテキストで構成されています。
まずは写真から見ていきましょう。ほとんどの物件では、間取り図、部屋の内観、建物の外観などの写真が載せられています。間取りについては後ほどお話しますので、部屋の内観写真をまずはチェック!
部屋の写真は不動産屋が撮影していることが多く、購入者の目を引くために明るく加工されていたり、引き伸ばされているものも多くあります。まずは必ず「間取り図上のどこから撮影された写真なのか」を確認し、別の角度から同じ場所を撮影している写真があればそれも併せて、部屋を立体的にイメージできるようにしてみましょう。
写真からは壁や床の色味などがパッと目に入りますが、細かい情報を確認することも大切です。
例えば、
・水回り(トイレ、お風呂、キッチンなど)の使用感はどれほどか?
・収納に扉はあるか?棚板は何枚あるか?
・窓の外の状況はどうか(開放感があるか、建物が建っているか)?
・玄関ドア、窓など自分で交換できない部分の状態はどうか?
・家具が置かれた部屋の場合、どれぐらいのサイズの家具が置かれているか(自分の持っている家具は収まりそうか)?
などの情報です。
また、人によっては気になるポイントとして
・キッチンの作業スペースは十分か?
・洗濯パン(洗濯機の下を掃除しやすくするため高さを出す設備)はあるか?
などもチェックしておくと良いでしょう。
ちなみに、私はリノベ済みの物件であっても洗面台やお風呂がチープなものになっているとがっかりしてしまうので、写真を見る段階で必ず確認しています!内装に関して譲れないポイントがある人は、できる限り写真でチェックしておきましょう。
外観写真からは、
・立地(大通り沿いか、住宅街かなど)
・管理状況(外観や廊下は綺麗に保たれているか)
・共用部の設備(オートロック、宅配ボックスなどの有無)
などを確認できます。
築年数に応じた状況であることが多いので、築浅の物件に住みたい人は、内観写真だけでなく外観写真もお見逃しなく!
間取りの見方
間取りを見る際には、まず方角を確認します。リビングや寝室の窓がどの方角を向いているかで、朝日の入る寝室か、西日の入るリビングかなど日当たりを確認することができます。
方角は物件価格に大きく影響するポイントでもあるため、安い物件だ! と思ったら北向きだった、ということもよくあります。日当たりを気にされる方は必ずチェックしましょう。
方角がわかれば地図を確認して、建物のどのあたりに位置するお部屋かわかる場合も。現地に行かずとも窓の前にどんな建物があるかを推測することができるので、私は物件サイトと地図アプリを交互に見ながら自分の条件に合致する物件かをチェックしています。
また、玄関を入ってからの動線の確認も必要です。玄関から各部屋、キッチン、洗面所、トイレなどがそれぞれどのように繋がっているかで間取りの効率は大きく変わってきます。
広いマンションだ! と思っても、中に長い廊下があれば部屋として使えるスペースは減ってしまいます。逆に、LDが広いと思っても、LDから洗面所、トイレ、隣の部屋に入る間取りになっていれば、それぞれの扉前には家具などは置くことができないため、見た目の広さに比べてLDとして使えるスペースは小さい、ということも。
同じように、キッチンや洗面所といった個別のスペースも、使いやすい配置になっているか確認しましょう。キッチンと冷蔵庫の位置関係、洗面所と洗濯機、洗濯物の干場の位置関係は、使いやすい位置関係であることが理想です。
ただ、間取りはリノベーションして自分好みに変えることも可能です。物件自体は気に入ったけど、どうしても間取りがイマイチ……というときは、リノベーションを検討するのも一つの手。ただし、水回りは配管の関係で位置を動かせる範囲が限られる可能性があるので、物件購入前にリノベーション会社に相談してみるといいですね。
収納の量は?
部屋の広さと同じくらい気になるポイント、収納量。収納と一口に言っても、クローゼットやウォークインクローゼット(WIC)、シューズボックスやリネン庫などさまざまな種類の収納があります。適切な場所に必要なだけの収納があるのか、しっかり間取り図で確認しましょう。
例えば、
・キッチンにパントリー
・洗面所にリネン庫
・寝室にクローゼット
・玄関にシューズボックス
・LDに掃除機が入る収納
など。
使う場所に近いところに収納があるのがベストですが、必ずしもそうでなくても大丈夫。私は洗面所とトイレが一体になった部屋に住んでいますが、トイレの吊り戸棚の中にティッシュのストックや、普段あまり使わないアイロンもしまっています。
自分の持ち物に対し収納が少ない場合でも、クローゼットやキャビネットの家具を置くスペースが部屋の中にあればOK!
デッドスペースは無いか?
間取り図をよーく見ていると、「あれ? ここはデッドスペースなのでは?」と思うことがあります。先ほどお話した、LDにある扉の前もその一つ。洗面所に繋がる開き戸がある場合、開き戸の前と扉の軌跡にかかる部分は通路として確保しておかなくてはいけません。
その他にも、柱が部屋の中に食い込んで壁との間にスペースがあまり無い場合も、家具などが置けずデッドスペースになりがち。
デッドスペースがあるかどうかは、実際の家具レイアウトを考えてみると発見しやすいです。ソファにテレビ、ダイニングテーブルをどう配置するか? 考えていく中で、「ここに家具を置いてしまうと動きにくいな……」と思うスペースがあれば、そこはデッドスペースかも。
また、コンパクトな間取りの場合、LDは長方形の方が家具レイアウトがしやすい傾向にあります。正方形の部屋だと、リビングゾーンとダイニングゾーンを並べてレイアウトしづらく、スリムな家具を選ぶなど工夫が必要なことも。
テキスト情報からわかること
写真・間取り図以外にも物件ページには情報がたくさん。以下の項目は必ずチェックしておきましょう!
・管理費:マンション全体を適切に管理するために毎月払う費用
・修繕積立金:マンション修繕を行う時のために毎月積み立てる費用
※上の2つはローンに加えて毎月支払う費用となります。ランニングコストとも呼ばれます。
・交通アクセス:最寄駅まで徒歩・バスなどでどれほど時間がかかるか確認しましょう。
・完成時期:1981年以降に建築確認された物件のほとんどが、新耐震基準物件です。
・設備、セキュリティ:浴室乾燥機、食器洗浄器、宅配ボックスなどの設備の有無が記載されています。
ちなみに、検索結果に同じ物件がいくつも出てくる場合、売主が複数の仲介会社と契約していて、それぞれの仲介会社が物件を掲載している可能性が高いです。どれも同じ情報が載っているケースがほとんどなので、どれか一つを見れば良いでしょう。
まとめ
ここまで、物件ページから読み取れる情報についてお話してきました。
写真や間取りからお部屋の広さや使い勝手をイメージし、テキスト情報から月々の支払額や設備について確認していきましょう。その上でこの物件は実際に見てみたい! と思ったら、内見の申し込みへ。実際に見てみないと、住みたいと思う部屋かはわかりません。
膨大な量の物件情報の中から、皆さんの希望にあった物件が見つかりますように!writing:toko