リノベのハウツー
2018.08.16
知っているようで知らない不動産用語7つ
マイソク、直床、PS……。耳慣れない不動産用語を聞くと不安になりますよね。でも、きちんと言葉の意味を理解しておけば大丈夫。
今回は、とくに中古マンションを探す際に知っておくと役に立つ不動産用語をご紹介します。
1・ハツる
漢字で書くと「斫る」。名詞はハツり。「土間やコンクリートの壁などを壊したり、表面を削り取ったりする作業を指します」(石井さん)。
ちなみに建物自体を取り壊すことはRC造であってもハツりとは言わず、解体になる。
2・梁
柱の上に水平に置き、上からの荷重を支える部材。
「梁は壁面からの出っ張りが邪魔な場合は、なるべく隠す方法を考えます。例えば天井に段差をつけ、梁の付近はふかして低めにし、書斎にするなど。おこもり感が出て、天井の高いところとのメリハリもつきます」(石井さん)。
3・直床・直天井
躯体に直接仕上げ材を張るのが直床・直天井。逆に、躯体との間に空間を設けるのが二重床、二重天井。
「直床は古い団地などに多い。今は遮音規定の関係で、リノベの際はほとんど置き床をつくる必要があり、床が8㎝など上がる。そのぶん空間は狭くなるので、十分な確認が必要です」(石井さん)。
「近年多いのは、二重天井から直天井への変更。断熱性は劣りますが、天井高を上げたい場合に有効」(青木さん)。
4・勾配を取る
傾斜をつけること。
「リノベで水回りの位置を移動する際、床面を上げて設備まで配管を延ばしますが、水がちゃんと流れるように配管の勾配を取る、といった場合に使用。水勾配とも言います」(青木さん)。
5・PS
パイプスペースの略。各居室の給排水などの配管をまとめたもので、建物の上下を貫く。
「四角く囲ってあって邪魔ですが、共用部なのでいじれない。居室内の細かい配管は専有なので位置の移動はOK」(青木さん)。
6・構造壁
建物を支える重要な壁。必要不可欠なものなので抜くことは不可。
これに対して非構造壁は取り外し可能。
「ラーメン構造の場合、柱と柱を結ぶ壁は大体構造壁。結んでいない壁は非構造壁なので、取っても地震に影響はないはず。でも重力は働いているので、事前に確認しないと大変なことになる場合も。壁式の場合は、上から下までつながっている壁は、たいてい構造壁。図面で太く書かれているので、ある程度は読み取れると思います」(石井さん)。
7・マイソク
マイソクとは、不動産仲介会社による物件の情報源。
まず見るべきポイントはどこだろう?
「総戸数と建築年、管理費などとの関連性。あと備考欄も案外重要」(石井さん、以下同)。
「特に注意したいのは、管理費が物件価格に見合っているかどうか。非常に安い、高いという場合は絶対に何か理由がある。色々見ていくと相場感が養われると思います」。
●1棟の総戸数/総戸数を見て、管理費、修繕積立金などとの関連性をチェック。「総戸数が少ないほど、管理費や修繕積立金は高くなります。総戸数が多いのに高いと、運営がうまくいっていないのかも、などの判断材料になります」。
●建築年/いつ建てられたのか、は重要項目。「団地などでは、うんと古ければ建て替えの対象になる可能性大。できればそのあたりも知りたいところ」。昭和56年6月1日以前に確認申請を行った旧耐震基準の建物なら、耐震性も要チェック。
●管理費、修繕積立金等/「見逃せないのが月々かかる費用。特に管理費は毎月消えるお金だけに妥当な額なのか、また、住宅ローンと合わせて毎月払っていける額なのか、よく確認を」。資金計画をざっと頭に入れておくことも必要!
●備考欄/さりげなく最後につけられた備考欄も、見るべき項目。「もし“告知事項あり”と書かれていたら要注意で、何か問題がある。例えば、住人が部屋で亡くなっていた、建て替えが決まっている等…。そういう場合は説明が必ずあるはずです」。
取材協力
石井健さん(ブルースタジオ執行役員)
青木律典さん(デザインライフ設計室代表)