2022.05.26
リノベーション済み中古マンション購入前に知っておきたいポイント3選
リノベ済み中古マンションを購入するメリットやデメリット、さらには検討する際に知って起きたい注意点を見ていきましょう。
リノベーション済み中古マンションのメリット
1. 売主が契約不適合責任を負う
リノベ済み中古マンションは、不動産会社などの宅地建物取引業者が中古マンションを買い取って、リノベーション後に売り出すというケースが多く見られます。売主が宅地建物取引業者の場合は、契約不適合責任を2年以上負わなければならないと決められています。
※契約不適合責任とは、
→売買契約において対象物に不備があったり、契約内容と相違があったりした場合に売主が買主に対して負う責任のこと。マンションも対象で、引き渡し後に何らかの欠陥が見つかった場合は売主に責任を問えます。
具体的には、欠陥箇所の修理を求めたり、代金の減額を要求したり、契約を解除したりといったことが挙げられます。
ただし売主が個人の場合は責任を負う期間が限定されていることが多いため、注意が必要です。
(参考:民法改正のポイント「契約不適合責任」、中古住宅売買はどう変わる?|マイベストプロ東京)
2. 住宅ローンがまとめられる
中古マンションを購入してからリノベーションする際、住宅ローンとリフォームローンを別々に組む場合があります。住宅ローンは比較的低金利で長めの返済期間ですが、リフォームローンは金利が高めで返済期間も短いのが特徴です。返済の負担が大きくなる上、2種類のローンを組むと手続きの手間もかかります。
その点、リノベ済み中古マンションであれば住宅ローン1つにまとめられるというメリットがあるのです。住宅購入とリノベーションを別々にするよりも、どれくらいの費用が必要か分かりやすいという面もあります。
ただ、中古マンション購入後にリノベーションする場合でも、リフォーム一体型住宅ローンを利用して住宅ローンをまとめるという方法もあります。
3. 入居までの時間と手間を減らせる
リノベ済み物件は工事が完了した状態で購入するため、リノベーション内容や使用する建材、工事内容と予算のバランスなどを考える手間がありません。
自分でリノベーションする場合と違って工事が完了するのを待たなくてよいため、入居までがスムーズです。施工後の状態がイメージと違ったなどの事態も避けられます。
いつまでに転居したいといった事情がある場合や、工事内容を考えるのが億劫な方にとっても選択しやすいでしょう。
リノベーション済み中古マンションのデメリット
1. 自分好みにリノベーションできない
リノベーションの大きなメリットの1つに、自分のライフスタイルや好みに合わせて住まいを変えられるということがあります。
リノベ済み物件の場合は既にリノベーションが済んでいるため、この恩恵が受けにくいのです。建材や色は自分好みにしたい、間取りなどを自分で考えたいという方にとっては、物足りなさを感じる場合があります。
2. 工事前や工事中の状態が分からない
既に工事が完了しているため、工事前の状態やどのように工事が進められたのかを見られません。
床下や壁裏、天井裏の状態や、配管設備の劣化具合がどうなっているかといったことを実際に見られないため、不安に感じる場合もあるでしょう。
リノベーション済み中古マンションを検討するときの3つのポイント
リノベ済み中古マンションを購入する前に、確認しておきたい注意点を3つご紹介します。
1. ホームインスペクションの実施状況、耐震性を確認する
ホームインスペクションとは住宅診断のことで、建物の状態を調査し、修繕が必要な箇所や時期のアドバイスをするものです。築年数だけでは分からない建物の劣化具合が分かります。
ホームインスペクションを実施して必要な修繕を行った物件を選ぶことで、住み始めてから水漏れなどの不具合が発生したり、思わぬ修繕費がかかったりするといったリスクを減らせるでしょう。ホームインスペクションによって全ての欠陥や不具合が判明するとは言い切れませんが、住宅の信頼性は高まります。
さらに、耐震性もチェックしたいポイントです。建物がどの程度の耐震性をクリアしているのか、また、耐震診断を受けて必要な耐震補強をしているのかなどを確認しましょう。
2. さらにリノベーションするのは難しい場合もある
リノベ済み物件を購入後に、さらに自分でリノベーションするという選択もありますが、その場合は注意が必要です。
物件によっては構造上の問題から壊せない壁があったり、マンションの管理規約によってリノベーション内容に制限があったりする場合があります。リノベーションしたい場合は希望の工事ができるか事前に確認しましょう。
3. 管理状態や共用部の状態をチェックする
リノベーションによって部屋の中はきれいな状態でも、廊下やゴミ捨て場が汚いなど共用部の管理が行き届いていない場合は注意が必要です。マンション自体がきちんと管理されていない可能性や、住民のマナーに問題がある可能性があるからです。
また、外壁塗装や配管設備の工事などの共用部の修繕をどのように進めていくのかといった長期修繕計画の予定や、修繕積立金の状況も確認しておきましょう。
まとめ
リノベ済み中古マンションには、2年以上の契約不適合責任がある(相手が業者の場合)、住宅ローンがまとめられるといったメリットがあります。
しかしその一方で、自分好みのリノベーションができない、工事前の状態が分からないなどのデメリットもあります。
リノベ済み物件を検討する際は、ホームインスペクションを実施して必要な工事をしているか、建物の管理がきちんとされているかなどをチェックしましょう。