その他
2018.03.18
不動産テックとは?
金融とITを組み合わせた「フィンテック(Fin Tech)」が注目を集めていますが、不動産業界においてもその波がきており、不動産とITで「不動産テック」と呼ばれ、いろいろなサービスが続々と誕生しています。
海外では、Real Estate TechとかReTech、PropTechなどと呼ばれています。
不動産×ITということからなんとなくどのようなサービスか想像がつく方もいるかと思いますが、具体的にどんな技術やサービスがあるかをこちらでは紹介したいと思います。
また、日本より進んでいる海外での事例についても紹介いたします。
1.不動産テックとは?
2.日本での不動産テック事例
3.海外での不動産テック事例
4.ブロックチェーンと不動産について
5.まとめ
不動産テックとは?
不動産テックと一言でまとめられますが、そのジャンルは多岐に渡ります。
不動産の検索や仲介、賃貸管理、物件のマッチング、VR/ARによる内覧、IoT分野、マーケティング、投資、シェアリング、物件の価格査定、不動産業務支援などがあります。
もともと不動産業界は、アナログ対応の業務が多かったため、「不動産テック」導入による恩恵を受けやすい業界でもありました。
また、国の働きかけも不動産テックの後押しとなっており、2017年10月からは「IT重説(1)」の本格運用がスタートしたり、空き家対策のために、不動産テック企業に対して補助金を支給というニュースも出ています。
(1)IT重説・・・対面でなはくインターネットを利用して、賃貸借契約時における借主への重要事項説明を行うこと。
日本での不動産テック事例
各ジャンルごとに実際の事例をいくつか紹介します。
■VR/ARによる内覧
VR内見(TM) | NUR*VE(ナーブ) http://naiken.nurve.jp/
ゲームなどでおなじみのバーチャルリアリティーの技術を活用したものでヘッドマウントディスプレーを装着することにより、実際に物件へ出向くことなく内見ができます。
借り手や購入者にとっては、現地に出向かずに、まず気になる物件をVRで確認して、より興味がわいたところだけ現地に行けば時間の節約にもなります。
■IoT分野
Ninja Lock | 株式会社ライナフ https://www.ninjalock.me/
スマートフォンで操作できる鍵で、既存の鍵の上からもとりつけることができます。
鍵が不要になり、閉め忘れの心配もなくなり、他人と鍵を共有することができるので自宅での利用に限らず、民泊などでの鍵の受け渡しなどにも利用できます。
いわゆるスマートロックといわれる分野のものになります。
株式会社ライナフでは、入居者不在の部屋に宅配サービスや掃除などのサービスを招き入れることができるマンションのプロジェクトをスタートさせるそうです。
■物件の価格査定
IESHiL β版| 株式会社リブセンス https://www.ieshil.com/
リアルタイム査定を行うサイトで、約3,000万件の賃貸情報や売買履歴を元にしたビッグデータから部屋ごとのマンション価格がわかるサイトです。
■シェアリング
SPACEMARKET | 株式会社スペースマーケット https://spacemarket.com/
貸し会議室から球場まで全国8000件以上のレンタルスペースがありスペースの予約から支払いまでをワンストップで行えるサービスを提供しています。
1時間単位や1日もしくは宿泊まで対応しており、おしゃれな住宅やお寺、古民家など多様なスペースを利用できます。
■マッチング
オンライン上の不動産屋さん(賃貸物件の仲介サイト)です。
チャットUIとAIによる接客サービスを提供しておりオンラインで物件の相談が行えます。ユーザが条件を設定しておくと、最適な物件を提案してくれたりします。
ここに上げたものはほんの一例で、たくさんのサービスが展開されています。
リマールエステート株式会社さんが公開した不動産テックカオスマップでは173のサービスが紹介されています。
海外での不動産テック事例
海外の不動産テックで有名な事例を紹介します。
■マッチング
Compass
https://www.compass.com/
SoftBankが500億円を出資すると話題になったアメリカの不動産仲介プラットフォームです。
未上場で時価総額が既に1000億円以上のユニコーン企業です。
自社管理物件を持たず地域の仲介業者と顧客のマッチングを行い成功報酬を受け取るビジネスモデで、高級な物件と顧客を中心に扱いプロのカメラマンによって撮影された写真を数多く提供しています。
また必要な情報が可視化されているところも特徴です。
さらに、2018年12月には、Microsoftの人工知能(AI)担当最高技術責任者(CTO)を務めていたJoseph Sirosh氏が退社し、Compassの幹部に就任したというニュースもありました。
今後は、不動産 + AIでのサービスが続々と出てきそうですね。
■シェアリング
WeWork https://www.wework.com/ja-JP/
こちらもSoftBankと合弁会社を設立したことで話題になったアメリカの企業で世界15カ国でシェアオフィス事業を展開している企業です。その企業価値は、2兆円とも言われています。
単なるシェアオフィスやコワーキングスペースではなく、メンバーにスペース、コミュニティー、サービス(福利厚生なども)を提供しています。
利用者のデータ分析を行いよりクリエイティブに働ける空間作りなどを行っているのが特徴です。
東京でも既に以下のオフィスがオープンしています。
・丸の内北口
・アークヒルズサウス(六本木)
・GINZA SIX | ギンザ シックス
・新橋
・日比谷パークフロント
・Iceberg(神宮前)
■その他
OYO LIFE https://www.oyolife.co.jp/
突如現れプロモーションを大々的に行い話題となった
インドのホテルベンチャーOYO(オヨ)が手がける賃貸サービスです。
OYO LIFEは、敷金・礼金・仲介手数料なしで即入居可能で、スマートフォン1つで物件探し
契約、支払いを済ませることができる"ホテルのように部屋を選ぶだけ。"をコンセプトとした
賃貸サービスです。
日本での賃貸サービスのあり方を一気に塗り替える可能性を秘めた、サービスではないかと思います。
こちらもソフトバンク・ビジョン・ファンド等から10億ドルの資金調達をしたことでも話題になっています。
海外の不動産テックは既にグローバル展開されているものもあり、海外から日本の不動産業界に入ってくるサービスも今後どんどん増えていくかと思います。
ブロックチェーンと不動産について
最後に、筆者が今年注目するブロックチェーンと不動産についても簡単に紹介したいと思います。
いろいろあった仮想通貨ですが、その基幹技術となっているのが「ブロックチェーン(分散型台帳技術)」です。資産や権利などのデータはこれまで正確性、安全性を担保するために中央管理者(政府や銀行)が管理してきました。
ブロックチェーンは、中央管理者なしに、IT技術を使って正確性、安全性を担保することができる技術です。
分散型台帳技術という言葉からも分かる通り、その参加者がデータを共有しながら記録・保管する技術で分散して管理されているため、改ざんも容易ではありません。
このブロックチェーンという仕組みを不動産の取引にも適用しようという動きが進んでいます。
不動産売買では複数の役所に情報収集しに行かないといけませんが、ブロックチェーン上で不動産情報を管理していくことになれば過去の取引や修繕履歴などの情報も簡単に確認することができるようになります。
また、中央管理が不要となるので、コスト削減、登記手続きの効率化ができます。
以下のようなニュースが最近出ています。
・スウェーデンで間もなくブロックチェーン不動産取引を開始
・積水ハウスで、ブロックチェーン技術を導入した賃貸契約システムを開発予定
ブロックチェーンの導入が進めば、不動産取引は透明性もあがり、取引が効率化され便利になるのではないでしょうか。ただし、不動産をブロックチェーンで管理できるようになるには、国や他の事業者も巻き込んでいかないといけないため時間はかかりそうです。
まとめ
不動産テックについてここまで紹介してきました。
ビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどIT技術の導入によりますます不動産業界は便利で使いやすくなっていくかと思います。
今後も引き続き不動産テックの動向について紹介していきたいと思います。
2019年版の不動産テック カオスマップが、一般社団法人 不動産テック協会から発表されています。
https://retechjapan.org/retech-map/
それでは、また!!
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