リノベーションのアイテム
2020.11.11
古材界の人気者!足場板を考える
無垢材の魅力といえば、大量生産品には無い、風合いやナチュラルさですが、経年変化も忘れてはいけません。年を重ねるごとに増していく味わいは、無垢材ならではで、経年「美化」という言葉を使う方もいるほどです。家族と無垢材、いっしょに歳を重ねていくなんてすてきです。
しかし、最初から経年美化した無垢材が欲しいというケースもあり、そんな方に人気なのが古材です。中でも近年人気となっているのが、足場板です。
ここでは古材の基本や、独特の味わいを持つ足場板についてお話していきます。
古材が人気になっています
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古材とは、かつて民家などで使われていた木材を再利用したもののことです。
アンティーク家具のような、独特の風合いが魅力です。もともと古材は、解体された建物に使われていた、梁や柱を再利用したものが一般的でした。
古材柱・角材・丸太
古民家など昔の木造建築には、今の住宅では考えられないほど、太い梁や柱が使われています。しかも、囲炉裏の上部にあった梁は、煙で長年いぶされているなど、古材でしか得られない味わいを持っています。
そのまま新しい建築で使ったり、オブジェとして飾ったり、製材して内装材にしたりと、古材柱や角材、丸太の用途は様々です。
足場板
古材は上品な味わいが魅力ですが、同じ古材でも足場板が持つ味わいは異なります。荒々しさ、無骨さを持つ古材が足場板です。インダストリアル系やシャビーと呼ばれるインテリアが注目を集めるにつれて、一躍人気ものになりました。
足場板とは、文字通り、工事現場で足場として使われていたものです。当然、屋外で使われますから、雨風にさらされていますし、土足で踏まれますからキズが入っています。ものによっては、ペンキ跡や溶接によるコゲ跡なども付いているでしょう。
古材の要注目は足場板!
そんな足場板を内装材として再利用するには、結構な手間がかかります。ダメージがひどすぎるものは弾かれますし、表面を整えたり、長さもそろえたりと製材しなくてはなりません。
しかし、そうやって生まれた足場材は、得も言われぬ魅力を持っています。以下に足場材の魅力をお話しましょう。
風合いが良い
第一の魅力は、足場材ならではの風合いです。ペンキやコゲ、釘の跡などが残る表面は、いかに過酷な環境で使われてきたかを物語る、まるで歴戦の強者のようです。この風合いが魅力で、床や壁に用いたいという方が増えています。
価格が安くエコである
古材といえば希少ということもあり、価格が高いものがあります。しかし、足場材は役目を終えた、いわば廃材ですから価格は手ごろです。
しかも、新しく木を切り出したものではありませんから、地球環境にも優しいということができるでしょう。
足場材の豊富なバリエーション
一枚一枚表情が違う足場材ですが、使われていた環境や加工により、いくつかに大別することができます。
国内材・輸入材
国内の足場で使われるのは杉材ですが、海外で使われるのはパイン材です。
ウォッシュド
そのままの足場板では表情がハードすぎるという方に好まれるのが、上の写真のウォッシュドです。表面がなめらかに整えられています。
張り方で足場板がもっと魅力的に
張り方を工夫することで、足場板の魅力がさらに増します。たとえば幅だけをそろえて、まちまちの長さのものを使う「乱尺張り」なら、足場板の野趣あふれるテイストが引き出されます。また整然と「ヘリンボーン」に足場板を張っていくのも面白いものです。
素足で使える足場板?
そんな魅力たっぷりの足場材ですが、大きなデメリットがあります。
それは素足では使いにくいということです。ウオッシュド加工されたものでもササクレがありますから、スリッパやルームシューズが必須です。それでも素足で足場板を使いたい、そんな方には、以下の方法をおすすめします。
新品の足場板
工事現場で使われる前の足場板を、フローリング用に加工したものです。サンダーで表面がなめらかにされており素足で使うことが可能です。ワイルド感を求める方向けに、エイジング風や鉄サビ風の塗装がほどこされたものもあります。
DIYで古材風に仕上げる
長年の使用で角が取れていたり、キズが付いていたり、ペンキが飛んでいたりというのが、足場材の特徴です。新品の板の角を削り取り、釘を打ち付けてみたり、ペンキを飛ばしてみたりしてみましょう。仕上げにステイン系のカラーを塗り完成となりますが、その後、荒い目のサンドペーパーを使って表面を荒らすのもよいでしょう。ただ、フローリングでこれらの作業をする場合は、結構な広さの作業場が必要になります。
まとめ
足場板は、インダストリアル系やシャビーと呼ばれるインテリアにマッチします。ただ張るだけでも十分ですし、乱尺やヘリンボーンに張るのも面白いでしょう。ハードな扱いを受けていますから、表面がボロボロなのが足場板の難点です。ウォッシュド加工のものを選んでも、素足では歩くのが難しいでしょう。
そんな場合は、新品の足場板を使うのも良いですし、古材風に加工するのも楽しいものです。特に丁寧な加工は不要です。何といってもワイルドさが足場板の魅力なのですから。