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2019.12.23
エコロジーとは?リノベで環境にも財布にもやさしくなろう
エコロジーという言葉はずいぶん一般的になりましたが、日々意識して生活しているという人は、それほど多くはないはずです。その一方で増えているのが、取った行動が結果として環境保全に役立っていたというケースでしょう。マンションや一軒家のリノベーションもそれに当てはまります。
快適な自分好みの空間を作りたいからとか、新築を購入するよりお得だからといった動機でおこなわれることが多いリノベーションを、今回はエコロジーの観点から見ていきましょう。
そもそもエコロジーとは?
元々生態学を指す言葉だったエコロジーを、環境保全を目的とした社会運動という意味で最初に使ったのはアメリカ人女性のエレン・スワロー、1892年の講演会でのことでした。急激な現代化・工業化で破壊されつつあった自然環境に、彼女は危機感を抱いていたのです。
当初はそれほど大きな運動へと発展しなかったエコロジーですが、時代が進みスワローの危機感が現実になると注目されるようになります。1970年代には一部の人たちの言葉だったエコロジーは、企業なども広くエコロジーに取り組み始めた2000年代には一般的なものになりました。
エコロジーの最先端、スマートハウス
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建築業界におけるエコロジーのトレンドといえば「スマートハウス」でしょう。IT技術で家庭内のエネルギー消費を最適にするという考え方はいかにも最先端のイメージで、住宅メーカーもこぞって発表しています。
スマートハウスに必要なものは太陽光発電パネルや蓄電池、電気機器を一括してコントロールするHEMSなど。電気を作ったり蓄えたりできますから、災害にも強いという点でもスマートハウスは注目されています。
リノベーションこそがエコロジー的
しかし、新たにスマートハウスを建てることがエコロジーか?というと必ずしもそうではありません。建てた後のエネルギーの消費量は少ないとしても、ゼロからスマートハウスを建てるまでの環境負荷は大きいものがあるはず。新築費用も高価ですから全ての人が取り組めるものでもありません。
それよりもリノベーションのほうが環境負荷も軽ければ、かかる費用も安い。今ある住宅に手を加える方が、ある意味ずっとエコロジー的といえるのです。
エコなリノベなら断熱性を重視
リノベーションでもっとエコロジーを意識するなら、注目すべきは断熱性の向上です。外気温の影響が少ない家にすればスマートハウスほどではなくても、家庭で消費するエネルギーも少なくなります。光熱費の削減がねらえますから財布にもやさしいリノベーションになりますし、マンションで実現できるのもうれしいポイントです。
今ある住宅をリノベーションで高断熱化するポイントは「窓」「断熱材」「ドア」の3つになります。中でもコストパフォーマンスが高いリノベは窓に手を加えることでしょう。
窓を変えよう
夏の暑さや冬の寒さの半分以上は窓から入ってきます。窓のリノベーションで高断熱化の半分は達成できるのです。窓とサッシを入れ替える、シャッターを取り付けるなどの方法がありますが、最も手軽なのが内窓を付けて二重窓にする方法、今ある窓も利用しますからエコロジー的でもあります。
断熱材を入れよう
壁の断熱材に手を加えるというのも、外気の影響を少なくするための良い方法です。中でも断熱材を追加するというのはマンションでも有効な方法、空間をぐるりと断熱材で囲ってしまいます。
ただし難点はコストがかかってしまうこと。壁に断熱材を入れるならばいったん壁をはがしてから断熱材を入れて、また新しく壁を造る必要があるのです。1平方メートルで1万円程度は覚悟しなければならないでしょう。
比較的価格が安くすむのは天井です。屋根裏に十分な空間があるのなら断熱材を敷き詰めるだけで済んでしまいます。一戸建てにしかできない方法ではありますが、二階の部屋が寒いとか暑いとか、こんな場合に効果的なリノベーションです。
ドアを変えよう
窓と天井、壁、床のリノベーションが終わったなら、高断熱・高気密化はほぼ完了です。最後に考えるべきは玄関ドア、近年ではドアの高断熱・高気密化も進んでいます。
ただし、こちらは高額な割にはあまり効果が見込めないもの。ドアから出ていったり入ったりする外気はわずかなのです。外観やスマートロック化による防犯性、利便性の向上のほうが期待できるリノベーションになります。
まとめ
リノベーションでのエコロジーのポイントは断熱性を高めるところにあります。中でもおすすめは窓のリノベーション、高いコストパフォーマンスが期待できるのです。高断熱化をすすめることで光熱費の削減が見込めますから、地球環境だけでなく住む人の財布にもやさしいリノベーションになります。
加えてうれしいのは、リノベーションで快適な家になるところ。財布にもやさしければ住む人にもやさしい、そして地球にもやさしいのです。