今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。
さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。
その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。
ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。
二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。
ほんの少し、いかがですか。
2017年11月22日 小雪(しょうせつ)
寒さが進み、北国の方ではそろそろ雪が降り始める頃です。
本州では寒くなってきたとは言え、例年まだまだ雪が降りそうな気配は感じられない時期ですが、雪の便りが届くかもしれません。
2017年11月22日〜11月26日 虹蔵れて見えず(にじかくれてみえず)
陽の光が弱まり、虹を見かけることが少なくなる頃です。
この季節の養生
漢方では、冬・寒さに弱い蔵は『腎』です。
腎というのは、生きるためのエネルギーを作る箇所。
季節で言えば冬ですが、1日の時間に当てはめれば夜は腎をいたわりたい箇所。
人の一生で言えば、老後が腎の弱りを感じやすい時期。
不妊症も、漢方では腎の弱さを疑います。
そのくらい『腎』というのは人が元気に生きる力を生み出すところなのです。
若い頃には徹夜をしても平気だったのに、歳を重ねて来ると無理が利かなくなった、翌日に響くようになったというのも、腎が疲れていることが影響していると考えることができます。
1日の中で言えば、夜は眠る時間。
一生で言えば、老後はゆったりとした時間を過ごすことも増える時期。就寝時間も早くなる人が多いのではないでしょうか。
冬も同じです。
1年の中で最もゆったりとした時間を過ごすことが必要な季節です。
寒さに弱い腎のために、体を温めることも忘れずに。
そうしないことで、春や夏は不調を感じやすかったりバテやすくなったりする可能性が高まります。1日の単位に当てはめれば、徹夜や連日の睡眠不足の影響を朝や昼に受けている状態になるようなものです。
逆を言えば、ゆったりと過ごせれば、
また春や夏の活動的になる季節を元気に過ごせるということです。
これからはご自身やご家族をいたわることに最適な季節とも言えます。
お昼間には仕事や家事を頑張ったり、適度に体を動かしたり。
そして、夜は季節的にも時間的にも『腎』の時間。
ご自宅でリラックスしてご家族やご友人と食事などを楽しんだり、1人の時間を充実させたり、冬の夜の新たな過ごし方を探してみるのもいいかもしれませんね。
この季節のまめ知識
11月23日は祝日・勤労感謝の日です。
この日の元は、秋の収穫に感謝を捧げる新嘗祭の祝日です。
秋には収穫を祝う色々なお祭りが全国各地で催されその地域独自のものもありますが、この新嘗祭は全国的に神社で行われます。
新嘗祭の“新”とは“新穀”のこと。“嘗”は“奉る”を意味します。
その年に収穫された新米や新酒を天地の神様に捧げます。
伊勢神宮の宮中では天皇陛下が自らお育てになられて新米を奉納され、自らもその新穀をお召し上がりになられることでも有名なお祭りです。
この季節に始めたいもの
空間の雰囲気作りだけでなく、癒し効果の高いキャンドルのゆらめく温かな光。
ご自宅でのライフスタイルに新たに仲間入りさせやすいのは今からの季節ではないでしょうか。
できれば人工的でも温かな光を灯す間接照明とセットだとすっと空間や生活に馴染みます。
ある統計によると、外食が多い人よりも、ホームパーティーも含め自宅で食事を楽しむことが多い人の方がストレス度は低いという結果になったのだとか。
食事の場面では香りのしないものを、食事以外の例えば読書の時間なんかには好きな香りのするものをと、シチュエーションに合わせて使い分けるのも楽しみの1つになるはずです。
参考文献
・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版
・伊勢神宮HP http://www.isejingu.or.jp/ritual/annual/kinen.html"