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2017.09.01
今日の季節 立秋~涼風至る(りょうふういたる)8/7~8/11
今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。 さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。 その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。 ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。 二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。 ほんの少し、いかがですか。
2017年8月7日 立秋
夏真っ盛りな時期ですが、暦の上では秋が始まります。 8月の季語に「夏たけなわ」というものがあります。 たけなわとは盛りという意味。 盛りは終わりの始まりとも考えられます。 つまり、秋の気配を意味する季語でもあるのです。
2017年8月7日〜8月11日 涼風至る(りょうふういたる)
涼しい風が吹き始める頃です。 その風で、秋の気配を感じます。
この季節の養生
まだまだ冷房なしでは生きられない猛暑の時期。 現代では温暖化のせいか、昔よりも涼しい風を感じられるタイミングは遅くなっているかもしれませんね。 とはいえ、冷房病という名が生まれてからも随分と久しくなりました。 実は、身体は冷えているという方も少なくはありません。 自覚が無い、という方も試しに足先や足首に手を当ててみてください。 意外と冷たかったりはしませんか? 残暑の時期や秋口に体調を崩しやすい方は、 今から、冷え対策を心がけていきたいところです。 室内では、夏用の薄手のレッグウォーマーを着けてみるのもオススメです。 アイスコーヒーやアイスクリームなど、身体を冷やすものは控え始めたほうが良いでしょう。 とはいえ、冷えを気にするがあまり暑さ対策を忘れ、熱が内にこもってしまっては熱中症などに見舞われてしまいます。 身体を“冷やす”のではなく“冷ます”を心がけます。 旬のお野菜や果物で身体の熱を冷ましてあげてください。
この季節の豆知識
メールやSNSが主流となった今では、夏の挨拶状を送ることも少ないのでしょうか。それでも、せめてこれだけは知っておかないといざという時に恥をかくかもしれません。 夏の挨拶状には2種類ありますよね。 “暑中見舞い”と“残暑見舞い”。 立秋を迎えた日からは“残暑見舞い”となります。 9月に入っても暑さは続きますが、残暑見舞いは8月中に送ります。 夏の挨拶状は、普段は会えない友人やお世話になっている方へ安否伺いや近況を報告するためのものです。 たまには葉書を送ってみるのはいかがでしょう。 もちろん、SNSでこれをきっかけに久しぶりに連絡を取ってみるのもいいのではないでしょうか。
この季節に使いたい和雑貨
日本人なら馴染みが深いはずの風鈴。 深いはずですが、縁側や窓際に涼しげにぶら下げられているお宅はもはや数少ないのではないでしょうか。 現代では1日中窓を閉め切ってエアコンで涼むことが主流ですし、そうしなければ命に危険が及ぶ猛暑が続いたり、建物の構造が風通し悪く熱がこもってしまう造りであったりして、風鈴の出番が減ったのは自然の流れなのかもしれません。
それでも、夏が訪れる頃には色鮮やかに描かれた風鈴がお店には今も尚、出回っていますよね。 立秋を迎えた今でもまだ店頭に並んでいるはず。 試しに1つ選んで、ご自宅に持ち帰られてはいかがでしょう。暑い盛りとはいえ、ほんの少しずつこれからは朝晩の気温は涼しく感じる日も増えてきます。その時にはぜひ鈴の音でも涼風に気づき、秋の気配を感じてみるだけでも風情のある暮らしに変化します。
“鈴”というと人が鳴らして初めて音がするものですが、人が鳴らさない鈴が“風鈴”です。 古来から、日本人は風に神様の出現を感じてきました。 さらには“風の便り”なんて言葉があるように、風は人の想いを運んでくれるものとも捉えられてきました。 そのようなことを肌ではなく、音で感じさせるというのもまた風流な和雑貨ではないでしょうか。
参考文献
・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・国立天文台HP https://www.nao.ac.jp