リノベーションのアイテム
2018.09.29
フローリングに最適な木は? ~木の種類や特徴を知ろう~
一人暮らしの賃貸からファミリーの一軒家まで、お部屋の床はほぼフローリングが主流となってきました。フローリングと聞いて思い浮かべるのはどのような床ですか?白い床や、茶色い床などいろいろ想像しますよね。
そんなフローリングですが様々な種類の木材が使用されていることをご存知ですか?
今回はフローリングに使われる木材の種類と特徴について解説していきます。
ぜひリノベーションの際の参考にして頂ければ嬉しいです。
複合フローロングと単層フローリング
フローリングに使用される木材を知る上で、複合フローリングと単層フローリングに違いを把握しておく必要があります。
複合フローリングとは、ポリエチレンなどのクッション材と、合板や集成材などの基材の表面に化粧材を張り付けるものです。一般的にこの複合フローリングが主流です。
一方で、単層フローリングは「無垢材」と呼ばれる素材そのものを張り付けたもので、最近流行りのフローリングになります。
フローリングに使われる木材の種類と特徴
フローリングに使用される木材の内、今回は6種類をご紹介します。
今回ご紹介する木材は一般的なものからマイナーですが特徴的な空間を演出したい方にお勧めな木材です。
【杉】
柔らかく足にフィットする質感
日本を代表する木材として知られる杉は素材が柔らかい為、足へのフィット感が気持ち良いのが特徴。値段もリーズナブルなのでフローリングに利用されやすいです。
木目は鮮明で、杉自体は加工性に優れる為、木目は縦方向に割れやすく通直な木目が好きな方にはお勧めです。
材令(木の年齢)によって木目が出るものがあり意匠的にも価値があります。造作物を作る際にも重宝します。
欠点としては、素材が柔らかい為、そったりへこんだりする頻度が高いです。
色合いとしては明るめです。
樹種名
スギ [杉]
品種
スギ科スギ属 常緑針葉樹
用途
構造部材や造作材として活用される。その他、床材や建具材などにも使用され建築用材として日本では大活躍しています。
生活用品としては、縦割りが容易なことから割り箸などにも利用されています。
【タモ】
メンテナンス性に優れる
野球のバットに使われることで知られるタモ材は、硬さが特徴です。一見フローリングに硬い素材は合わないと思われがちですがメンテナンスも容易ですので、硬さはデメリットにはなりません。フローリングは年月が経つとギシギシと音を立てることもありますが、タモ材を使用した場合は、硬い素材の為、強度が強く、その心配も軽減されます。
その他、大きな特徴としては木目が鮮明でデザイン性に優れている点です。
別荘などのウッド調な雰囲気を出したい方にはオススメの木材と言えます。
色合いとしては、濃いめで重厚な仕上がりになります。
樹種名
タモ [梻]
品種
モクセイ科トネリコ属 落葉広葉樹
用途
強固な材質な為、家具や建具などの建築用材に使用されています。
その他、バットやラケット、スキー板などのスポーツ用品にも使用されています。
【ヒノキ】
日本人好みの香り豊かな木材
ヒノキには防虫効果があり、湿気の多い気候に適しています。また、加工もしやすいことから昔から神殿仏閣の建築に使われていました。
ヒノキの特徴はなんといっても香りです。ヒノキ風呂を想像しただけでもその香りを思い出しますよね。
ヒノキの香りには「効能」があることをご存知ですか?心と体に良い影響を与えてくれるのです!
【心への効能】
Aピネンという成分が、リラックス効果とリフレッシュ効果があります。
【体への効能】
鎮静作用と強壮作用があります。気持ちを落ち着かせてくれて疲れが癒されます。
施工面で言えば、耐水優れており、頑丈なので水回りをフローリングにしたい時にはお勧めです。
色合いとしては明るめですが、濃い色合いのものもあり、混ぜて使用するのもお洒落です!
樹種名
ヒノキ [檜、桧]
品種
ヒノキ科ヒノキ属 常緑針葉樹
用途
寺社建築などに使用され高級材として使用される。
【メイプル】
細かな木目で傷が目立たない
杉やヒノキに様にメジャーな木材ではない「メイプル」ですが、メイプルシロップと聞けば分かると思います。その名の通り樹液から「メイプルシロップ」を採取することができます。
見た目は細かな木目をしている為、傷が目立ちにくいのが特徴です。
色合いも明るいので「そこまでウッド調にしたくない」「明るめの部屋にしたい」という方にはお勧めです。
樹種名
ハードメープル [砂糖楓]
品種
カエデ科カエデ属 落葉広葉樹
用途
衝撃性、耐摩擦性に強いのでボーリングのアレー(レーン)やピンの素材は良いです。収縮が大きいので乾燥には十分な注意が必要。塗装性、着色性が良く、表面仕上げも良いです。
【ウォールナット】
年月が経つにつれて味わい深くなる
「ウォールナット」は耐久性に優れている点、見た目の綺麗さから、古くから家具や床材として多く利用されてきました。色合いとしては、
使い込んでいくとだんだんと明るい赤茶色に変化していき、人が触れて使い込んでいくことで、経年の変化を楽しむことができます。
デメリットとしては高価な点ですが、重厚な空間を演出したい方にはお勧めです。
樹種名
ウォールナット
品種
クルミ科クルミ属 落葉広葉樹
用途
高級家具材や工芸用材として用いられる程の美しい木目が特徴。耐衝撃性の強さを生かし、ライフルの銃床としても重用される他、高級家具・楽器などにも使われる。
フローリングの選び方
紹介した木材の種類だけでフローリングを選択することも正解ですが、意匠的な面から選択するのであればご自分がお持ちの「家具」と合わせることも検討してください。
家具を目立たせた場合は、家具よりも薄めのフローリングに、家具と同化させたい場合は同色・同材を使用するなど選択の幅を広く持ちましょう。
歩いた時の質感で選ぶなら「杉材フローリング」、ペットと暮らしているならメンテナンス性に優れる「タモ材フローリング」などがお勧めです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。木材には様々な種類。特徴があることがお分かり頂けたと思います。
フローリングは一度施工したらなかなか変えることが出来ません。しっかりと設計者・施工者と検討してみてください。