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2020.10.27

「片切スイッチ」と「両切スイッチ」、その違いとコストの話

「片切スイッチ」と「両切スイッチ」、その違いとコストの話


住宅のスイッチには種類がいくつもあり、電流のON/OFFの切り替え方には「片切スイッチ」と「両切スイッチ」という仕組みがあります。

普段は見えない配線部分のことなので、生活する中で意識することはあまりないかもしれません。それでも、住宅の中でどのように電気を使っていくのか設計する時には、できれば知っておきたいワードと言われます。

ここでは、片切スイッチと両切スイッチの違いについてお伝えします。
 

片切スイッチと両切スイッチ、何が違うの?

「片切スイッチ」と「両切スイッチ」、その違いとコストの話


電気の回路には、電流の行きと帰りの線が必要です。上のイラストでいうと、電球と電池をつなぐ線は赤と青の2本があります。同じように、住宅内の配線も、基本的に二本一組で分電盤へつながっています。

スイッチは、二本の線でできた回路の途中に組み込まれ、電流のON/OFFを切り替えます。ざっくりいうと、片切スイッチと両切スイッチの仕組みは下記です。

・片切スイッチ
二本一組の配線の、片側だけの線で接続をON/OFFするスイッチ

・両切スイッチ
二本一組の配線の、両側の線で接続をON/OFFするスイッチ

イラストを使ってイメージを説明すると、電球の灯りを消すときに、赤い線の途中にあるスイッチを切るのが片切スイッチ、合わせて青い線も電池と切り離すのが両切スイッチです。

スイッチを切ったとき、片切スイッチでは一方の線で電球と電池とつながっていますが、両切スイッチでは電球が完全に電池から切り離されるのが大きな違いと言えるでしょう。


見た目で区別できる?


照明を点けたり換気扇を入れたりするときに触れるスイッチは、スイッチ本体、ボタン(ハンドル)、取付枠、スイッチプレートといった部品を組み合わせて作られています。壁に取り付けるとボタン(ハンドル)とプレートだけが見える状態です。

(参考:Panasonic「コスモシリーズワイド21基本スイッチ


片切スイッチ、両切スイッチというのは、私たちが普段目にするスイッチを分解したときの、部品としてのスイッチの種類です。電気工事に携わる方でなければあまり目にする機会はないかもしれません。

片切スイッチと両切スイッチは、見た目が同じであることもあります。ON/OFFを切り替える操作も同じなので、設置されたスイッチからはどちらのタイプか判別するのは難しいかもしれません。確実に見分けるには、部品表面の回路図などで確認する必要があるでしょう。
 

片切スイッチは両切スイッチよりも低コスト

片切スイッチは、単極スイッチ、スイッチBとも呼ばれることがあります。二本一組の配線の、片側の線だけで電気の流れを操作します。

片切スイッチのメリットは、配線がシンプルで設置しやすいことや、スイッチ自体が相対的に安価であることなどがあります。住宅で使われる照明や換気扇などのスイッチの多くは、片切スイッチが使われているようです。

一方、片切スイッチには気を付けなければいけないデメリットもあります。それは、スイッチを切って電源をOFFにしても漏電や感電の可能性がある、ということ。片切スイッチでは、一方の線が電源とつながっていますから、電圧が強い場合、スイッチを切っても微弱な放電が起こることがあるとされています。
 

両切スイッチは安全性に優れる

両切スイッチは、2極スイッチ、スイッチDとも呼ばれ、二本一組の配線の両方の線を切り離して電流を遮断する仕組みです。そのため、片切スイッチよりも安全性が高いところがメリットのひとつです。

デメリットとしては、配線が複雑になるので設置の手間がかかること。また、片切スイッチに比べて価格が高いことでしょう。

両切スイッチは、住宅の中で強い電圧が必要となる場所や、浴室など水気のある場所で確実に電流を止めたいところなどに使われていることが多いとされています。

内線規程(※)では、200Vの照明器具などを使う場合は両切スイッチを使うことが推奨されています。照明器具の取扱説明書には小さい字で注意書きがされていることも多いですから、お手元にある方は読んでみてください。

内線規程
電気設備の安全な利用に関する規格で、工事や検査の基準として広く利用されている。
 

片切スイッチと両切スイッチの使い分け


片切スイッチと両切スイッチが住宅の中でどのように使われているのか、まとめてみましょう。

住宅内の多くのスイッチは、片切スイッチです。壁に埋め込まれた照明のスイッチや換気扇のスイッチなどで使われます。設置の手間やコストが抑えられるので、一般的な100Vの回路では片切スイッチが使われることがほとんどと言ってよいでしょう。

両切スイッチが使われるのは、200V家電を使う回路や、浴室などの水回りが多い傾向です。エアコンやIH調理器具、ブレーカーのように大きな電圧がかかる回路には、安全のため両切スイッチの使用が推奨されています。また、浴室や台所など水回りは漏電の危険が高いので、両切スイッチで安全性を高めておくと安心なので、多く使われているようです。

両者の使いどころを考える際に覚えておきたいのは、コストがかかっても両切スイッチを使うのは安全のため、ということです。コストを重視したい場合でも、設置場所によって片切スイッチで問題がないのか、安全とコストのバランスをよく考えて、専門家にも相談し、慎重に決める必要があるでしょう。
 

まとめ

片切スイッチと両切スイッチの違いについてお伝えしてきました。住宅では、多くの場合、片切スイッチを使いますが、電圧の高いところや浴室などでは両切スイッチを使うとおわかりいただけたかと思います。両切スイッチは相対的にコストがかかりますが、安全性を確保するために必要だということを理解しておきましょう。
 

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