リノベのハウツー
2019.12.23
テラコッタとは?形から入る!南欧風スローライフ
テラコッタに白い壁、南欧をイメージした家やインテリアが人気です。
しかし、日本の南欧を思わせる家のほとんどが南欧「風」、本物とは違った建てられ方をしています。特に違うのが多用されているテラコッタ、日本で使われているものの多くがテラコッタ「風」なのです。
ここではなぜ、本物のテラコッタを使わないのか?という話から、本物のテラコッタにこだわるなら、どこに使うべきか?といった話をしていきます。本物の魅力は大きいですが、時には「風」も選ばないといけないケースもあるのです。
テラコッタとテラコッタ風
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テラコッタとは赤褐色の素焼きの陶器、テラコッタ瓦が彩る南欧の町並みは味わいがあるのです。しかし日本で使われているテラコッタ瓦はテラコッタ「風」、本物ではないのです。
本物のテラコッタとは固めた土を焼いただけ、素焼きの植木鉢をイメージしてもらえば良いでしょう。一方、日本で多用されるテラコッタ風は磁器タイル、テラコッタ色に着色されて釉薬(うわぐすり)がかかっているのです。
テラコッタのメリットとデメリット
テラコッタのメリットの第一は「独特の風合い」です。素焼きならではの質感、肌触り、色ムラは何とも魅力的なものです。第二は「経年変化」、南欧の歴史のある町並みを彩るのは古いテラコッタ、新築でも古いテラコッタ瓦を使わなければいけないルールがあるといいますね。
しかし、本物のテラコッタは日本の気候に合いません。これが第一のデメリットです。吸水性が高いですから、湿度の高い日本では藻やカビが発生しやすく黒ずんでしまうのです。第二のデメリットは汚れがつきやすいこと、小さな穴が空いた素焼きですから汚れが入り込んでしまいます。第三のデメリットは価格が高いこと、テラコッタ風の数倍は覚悟しなければなりません。
テラコッタ風のメリットとデメリット
テラコッタ風のメリットは「工業製品」としてしっかりしていることころです。形は規格通り、表面には目的に応じた加工がなされている、汚れにくくなっていたり、滑り止めがほどこされていたり。経年の風合いを持たせたものもありますね。
デメリットはもちろん「本物ではない」こと、独特の風合いも経年変化もテラコッタ風では楽しめません。
瓦はテラコッタ風じゃないといけない
たとえば、本物のテラコッタ瓦を屋根に使ったとしましょう。雨が染み込む、雪が落ちない、苔が生える……数多くのデメリットがイメージできます。本物志向の方でも屋根瓦だけは、テラコッタ「風」にされることを強くおすすめしたいのです。
床に本物のテラコッタを取り入れる
リノベーションで本物のテラコッタを取り入れたい、そんな方におすすめしたいのは床です。理由はテラコッタならではの魅力を身近にできるから、独特の質感に触れて楽しめるからです。
中でも魅力的なのは、冬あたたかく夏涼しい質感でしょう。物を落としてもキズがつかないのも魅力。もちろん落としたモノは高確率でキズがついたり割れたりしますし、つまずいたり転んだりしたらケガをする危険性は高いのですが。
キッチンの床に
特にテラコッタの床をおすすめしたいのはキッチンです。水に濡れても劣化する心配はありません。ただ、素焼きだけにしょうゆやソースなど色の濃いものをこぼすとシミになってしまうのが難点。気になるならば専用のワックスを使うことで防水性を高めておくとよいでしょう。
ペットも喜ぶリビングに
テラコッタの表面は素焼きですからザラザラしています。ペットの爪が引っかかり足腰を痛めるということがありませんから、リビングの床にも向いています。特にペットが嬉しそうなのが夏場、ひんやりとした肌触りがたまらないようです。
アプローチをテラコッタにリノベーション
玄関のアプローチにもテラコッタは向いています。南欧風の家を建てるならアプローチもテラコッタにしたいところです。ただ割高な価格が問題になるでしょうから、テラコッタとよく似た雰囲気を持っているのが素焼きのレンガを使う方法もあります。
アプローチをテラコッタで作ることに決めたらならば、ぜひ挑戦してほしいのがDIYでの施工。ガイドとなる木材を置いて、それに沿って敷き詰めていくだけ。セメントも漆喰も不要ですから気楽にチャレンジできるでしょう。ただ根気は少々必要ではありますが。
まとめ
他にも壁紙をテラコッタ色にしてみたり、テラコッタ色の珪藻土を塗ったり、テラコッタのタイルを壁に貼ったりと、お好みの空間に取り入れる方法は色々とあります。ただ注意したいのは、あまりにも本物志向に走らないこと。テラコッタは基本的に日本の風土にマッチしていないのです。
手入れがめんどうかも?と思ったなら、ぜひテラコッタ風も検討してください。本物ではないという点さえ我慢すれば、良い品物であることは間違いありません。