リノベのハウツー
2017.09.01
リノベーションをしやすい家・しづらい家の違い
建物は、建ってから何年も経つとあちこちにヒビが入ったり、歪んだりしてきます。それに時代遅れの構造や機能を我慢して生活するのはとても不便なものです。そういった問題を一気に解決できるのがリノベーションです。リフォームよりももっと大規模に手を入れて間取りなども変更することができる改修です。でもリノベーションをしやすいかどうかは、建物によります。どういうところでリノベーションをしやすいのか、しづらいのかの違いが出てくるのかを知ればリノベーションをするときに役立ちます。
“間取りの変更ができる構造か”
家は材料を組み立てれば適当にできるものではなく、支えとなる構造がなければ地震や台風に耐えることはできません。その構造の種類はいくつかあって、何を使っているのかでリノベーションの工事をするときにしやすいのかしづらいのかが変わってきます。 まずラーメン構造というの、アパートやマンションなどで使われる柱と梁を使って支えとなる構造をつくりそこに壁を貼り付けていくというものです。こちらは柱と梁さえ残っていればいいので、自分の好きなように間取りの変更をしやすいです。 一方で壁式構造というのは、柱や梁などを用いずに、壁で建物を支えていく建物です。地震などが起きたときには壁全体で力を吸収する事ができるし柱が邪魔にならないのでスペースが広くなります。機能としては優れた部分を持っているのですが、こちらは壁を壊すことができません。そうなると、工事前と同じ間取りを維持しなければいけなくなります。View this post on Instagram
“配管を移動することができるのか”
リノベーションは家の間取りなど大きく手を加えることで、新たな付加価値を生み出す事ができます。極端な話ですが、構造部分さえ残っていれば全く別の家のようにすることだってできます。そこで問題になるのは配管です。例えばマンションだと配管の位置は最初から決まっています。工事をするときには、そのことが大きな足かせとなりえます。 というのも水は高いところから低いところに流れていきますから、配管の位置は傾斜させなければいけません。でも床下や天井のスペースがないと、位置をずらせば傾斜させることが難しくなることがあるのです。そのためにリノベーションで大きく変更しようとしても、最初と同じ配管の位置にしなければいけなくなります。そうなれば風呂場や台所の位置は以前と同じ場所のままです。ということで配管を移動する事ができるか、ということがリノベーションのしやすさ、しづらさを左右するのです。View this post on Instagram
“条例や法律の制限がある”
建物がある地域によって、様々な法律・条例の制限がかかってくることがあります。よくあるものとしては防火地域・準防火地域として指定されている場合です。防火地域というのは都市計画法により、火事が起きたときに次々と燃え広がらないようにするため、建物がある程度の耐火性を持っていなければいけないというものです。 耐火性というのは、建物に使われる鉄筋コンクリートなどに燃えにくい処理をしておくことで、30分とか1時間というように決められた時間は温度が一定温度以上に鳴らずに燃えないような性能のことです。リノベーションではデザインや機能、間取りなどを自分の好きなように工事をすることができるわけですが、防火地域のように法律でやらなければいけないことがあるときには、その制限をまず守って建材を選んだり建物の高さを制限されてしまいます。そのように自由が低いのは、リノベーションがしづらい家といえるでしょう。View this post on Instagram
“まとめ”
リノベーションのしやすさとしづらさは、壁を取り払うことが出来るラーメン構造か壊せない壁式構造なのか、配管を移動することが出来るのか、法律や条例で制限がかかっているのかどうか、といったことで大きく変わってきます。物理的にも法的に制限がかかって自由に工事ができないときには、リノベーションで得られるものは少なくなります。"