その他
2019.11.01
意外と知らない?RC造の特徴とメリット・デメリットを詳しく紹介します
家を購入する時、借りる時に「RC造」という記載を見たり聞いたりしませんか。
この言葉は建築の用語であり、マンションやビルなどの中高層建物によく使用される工法です。
今回は、RC造の特徴について説明をしていき、そのメリットとデメリットについて紹介していきます。是非、家を購入する時、借りる時の参考にしてみてください。
RC造の特徴は?
RC造とは鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)の略で、主要の構造部に鉄骨の骨組みの周りにコンクリートを打つ建築の構造または工法のことを指します。
マンションやビルなどの建物によく使用されておりますが、デザイン性が高いことで近年注目を浴び、一般の住宅でもRC造住宅が増えています。
鉄筋は引っ張り強度、コンクリートは圧縮強度に優れており、お互いの弱点を補いメリットを最大限に活かしているのがRC造の特徴です。
非常に高い強度を保っていますので高速道路にも使用されている工法となります。
RC造のメリット
RC造は引っ張り強度・コンクリートの圧縮強度に優れているので、「耐震性能」「遮音性」「火に強い」「法定耐用年数が長い」といった様々なメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。
耐震性能に優れている
RC造は重量鉄骨であることが多く、且つコンクリートで作られた6面体となるモノコック構造です。
モノコック構造とは、地震などの外の力が一点に集中せずに、全体に分散をしてバランスよく力を受け止めることで、強い強度を実現する構造のことです。
その為、過去に様々な災害がありましたが、被害が少なかったのはRC造の工法を用いた住宅だと言われています。
遮音性が高く、音漏れがしにくい
コンクリートは防音性能が高い素材の為、他の構造と比べて外に音が漏れる心配が少ない点が特徴です。そのため、映画・音楽鑑賞を大音量で楽しみたい人や、部屋で楽器を演奏したい人にはおすすめと言えるでしょう。
また、車やバイクのエンジンや走る音、近所の話し声など外からの音に対しても遮音し、室内では深夜の住宅レベルの静けさを保つことができるとも言われています。
コンクリートの床は上下階の音も遮音してくれるので、子育て世帯が安心して住みやすい環境です。
火に強い
不燃材料のコンクリートは、火に強い点も一つのメリットと言えるでしょう。
木材や鉄骨では1000℃近くの高温に晒されてしまうと、倒壊までの時間が短いと言われていますが、RC造は2時間近くの耐久性を維持することができると言われており、倒壊を免れる可能性が比較的高いことが分かります。
法定耐用年数が長い
RC造の一番ともいえるメリットは「法定耐用年数」が木造や鉄骨造と比べて47年と長い点です。
法定耐用年数とは有形固定資産の陳腐化や技術的条件を予測して決定される使用年数のことです。
ちなみに木造は22年、軽量鉄骨は27年、重量鉄骨が34年に設定されています。代わりに、構造の強度を確保するため、木造よりも施工の期間が長くかかります。
RC造のデメリット
次はRC造のデメリットを5つ紹介していきます。
建築費用が高くなってしまう
RC造は木造や鉄骨造と比べると作業工程が大掛かりになります。
また、建設材料も様々なものが必要になりますので、その分費用もかかります。
大手ハウスメーカーで1戸建てを建築する場合は、坪単価が木造よりも40%も高くなると言われています。マンションなどの共同住宅になりますと、その差は小さくなりますが、それでもRC造の方が高いことには変わりません。
建築コストが高いということは、その分家賃にも反映される為、賃貸物件は割高になりますので一人暮らしをする場合は注意が必要でしょう。
建物が重い
RC造は鉄筋とコンクリートという重い素材を使用するため強度は高いのですが、その反面、木造と比べて重量がかさんでしまいます。場合によっては建物が重たくなるので、そのままでは建てることができず地盤改良が必要になってくるケースも出てくるでしょう。
その場合は建築費用以外にも多大なコストが発生してしまいますので、予算通りにいかない可能性が出てくるかもしれません。
結露やカビが発生しやすい
RC造住宅は気密性の高いのが特徴です。その為、エアコンなど効きが良く、また気温を保ことができるメリットがありますが、その反面、結露が発生しやすいデメリットがあります。
その為、木造住宅と比べると換気を意識的に行わないとカビが発生する恐れがあります。
新しくできたマンションは24時間換気システムを導入しているものが多いと言われていますが、ない場合でもほとんどのマンションには換気口が設置されているので、結露の問題は解消されるかもしれません。
しかし、冬場は外の寒い風が直接入ってきますので、開放しておくと部屋が冷えてしまうことには注意が必要です。
断熱性能が低い
RC造住宅の中にはコンクリート躯体に直接クロスが貼っているところもあります。コンクリートは「熱伝導率が低い」特徴が挙げられますので、温まりにくいのがデメリットになります。
暖房を強めても、冷え切ったコンクリートはなかなか温まりません。その為、断熱材が入っていないと厳しい寒さに直面することも。
ただし、コンクリートはなかなか冷めない特徴もありますので、一度温まると、気温を保つことができるのはメリットと言えるでしょう。
まとめ
RC造の特徴・メリット・デメリットについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
強度が他の構造に比べて良く、遮音性が高く、火に強い為、安全性に優れていることはメリットと言えるでしょう。
反面、工事が大掛かりになりますので、家を建てる場合は工事費用が、借りる人は家賃が高くなる傾向があると言われています。
RC造の良いところと悪いところを検討し、今後の住まいを決める際の参考にしてみてください。