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2019.06.30
吹き抜け空間を作るメリット・デメリット
リノベーションをするに際してリビング・ダイニングを吹き抜け空間にしてみようと考えられている方も多いと思います。吹き抜け空間を作ると明るく開放的で過ごしやすいのは間違いなく、導入するメリットは十分にございます。しかし、デメリットも当然ありますので、今回の記事ではメリットとデメリットの両面をお伝えし、デメリットを如何にクリアするかの解決策にも言及してまいりたいと思います。
■吹き抜け空間を作るメリット
まずは吹き抜け空間を作るメリットをお伝えしてまいりましょう。
メリット1:明るい空間を作れる
まずどなたでもイメージできるメリットが明るい空間となるということです。吹き抜けの高い位置に窓を設置することで陽の光をを存分に取り入れることができます。北向きの部屋でもそのメリットを享受できます。
太陽の光はただ「明るい」というだけでなく、人間の健康にも好影響を及ぼします。しかも室内にいてそれを享受できるということは、寒い冬や暑い夏でも快適な室温で過ごせるとういうことでもあります。
朝の目覚め時も陽の光を浴びることで体内時計をリセットすることができます。とは言っても毎日ベランダで朝の体操をするのは日課的にハードでもあるので、吹き抜け空間を作ることで日々の生活に日光浴をうまく取り入れることができるようになります。
メリット2:開放的な空間を作れる
明るい空間となると同時に開放的で部屋を広く見せることができるようになります。
リビング・ダイニングではなく玄関に吹き抜けを設けるご家庭もございますが、そうすることによって家に入った瞬間に家を開放的に見せることができます。来客の多いご家庭では効果を存分に発揮できるでしょう。
また、狭小住宅においては限られた横空間を縦で(吹き抜けで)広く見せることができるようにもなります。圧迫感がなくなり、心理的に狭さを感じず、狭くてもリラックスできる家とすることが可能となるのです。
メリット3:デザイン性のメリットがある
吹き抜け設けることは客観的に見てやはりオシャレです。明るく開放的であるからこそ、インテリアデザインにもよりこだわりを持たせることができ、差し込む陽の光を演出として来客をもてなすこともできます。
なお、吹き抜け=洋風というイメージを持たれがちですが、和風(和室)での吹き抜け空間も選択肢として存在します。今の時代新たな息吹としてデザイン性の高い和風な家造りを考えてみても良いかもしれません。
メリット4:家族のコミュニケーションが取りやすくなる
1階のリビング空間を吹く抜けにし、2階の廊下がその頭上にある設計にすると家に一体感を持たせることができます。
よくある親子の光景である「ご飯できたよー!」という一言も吹き抜けから2階へ響くので、別々に過ごしていても家族のコミュニケーションを容易にすることができるのです。
メリット5:空気の流れができる
空気は下から上へと流れるため、吹き抜けを設けることで自然と空気の通り道を設けることができます。
夏ならばエアコンの涼しい風を行き渡らせ、冬ならば温かい暖房の空気を行き渡らせることはできます。
しかし、広い空間であるため電気代がかかるデメリットも当然出てきます。デメリットについては章を変えて具体的に言及します。
■吹き抜け空間を作るデメリットとその対策
続いてデメリットとそれを潰す対策についてお伝えしていきます。
デメリット1:涼しくしにくい、温かくしにくい
まず何と言っても広い空間となるため、暑い部屋を涼しくしにくく、寒い部屋を温かくしにくいです。空気の流れこそ下から上へと進むものの、空間は広いため6畳部屋や車の中のように急速冷房ですぐに温度を調整することができません。また温度の維持も空気が流れているため難しい部分があります。
対処法としては、シーリングファンを設けて空気を常に循環させ続けることです。また、今の時代はスマートフォンでエアコンの電源コントロールができる時代ですので、家に帰る前に部屋の温度をコントロールするなどリスクを回避することはいくらでも可能であったりもします。
デメリット2:コストがかかる
デメリット1についての対処法を記しましたが、吹き抜け空間の温度調整をするにはそれなりの冷暖房代が発生します。スマートフォンを使用してエアコンを早くにかけることもコストがかかります。
それへの対処法としては「吹き抜け=広大な空間」ではなく、「適度な吹き抜け」の設計をお願いすることです。
リビング・ダイニング全体を吹き抜けにせず、リビングだけにしたり、高さを少し控えめにするということです。
また、2階の廊下と繋がっている場合は空気がどこまでも流れていかないように扉に、階段に扉を設けて空気が逃げていかないようにしてみても良いでしょう。そうすることで塵も積もればである電気代も少しずつ節約することが可能となります。
デメリット3:音が響く
広い空間は音が響きます。家族団欒という意味では良い事かもしれませんが、受験生のお子さんがいらっしゃる場合、リビングでの賑やかな声が勉強部屋まで響くのは良いことではありません。
対処法としては、集中する部屋の防音効果を高めることが、集中する部屋と吹き抜け空間とを隣接させないことでしょう。
せっかくの寛ぐの家ですので、賑やかにしたい人も、静かに過ごしたい人も、どちらも快適に過ごせる家造りをするべきなのです。
デメリット4:掃除作業、照明交換が大変
吹き抜け空間を作ると、その高い天井の照明を変えたり、掃除をしたりするのが大変になります。
掃除は長い柄が長い埃吹きで掃除することでクリアできるでしょう。しかし照明交換のためだけに高さのある梯子を用意するのは決して正解とは言えません。
吹き抜け空間にロフトを設けて、ロフトから手が届く範囲に照明を設置したり、高い天井に照明を付けずに間接照明のような配置をするなど照明交換は手でできる位置にすることをおすすめします。
デメリット5:プライバシーに難がある
立地によっては一切問題ありませんが、隣接する家がある場合、しかも吹き抜けの窓を覗けてしまう隣家がある場合は、プライバシーに難点が生じます。自らの家が2階建て、隣に3階建ての家、もしくはそれ以上のマンションが建っている場合に起こりえます。
しかし、それによって断念するのはあまりにもったいないので、窓の角度調整を行ったり、時にはカーテンなどで締めれるようにするのが最善の対策と言えるでしょう。
まとめ
ここまで示してきたように、吹き抜け空間は場所と予算に余裕がある場合は取り入れるメリットの方が非常に大きいです。
しかし、デメリットも記してきたように存在するのは確かです。これらデメリットをしっかりと潰せそうでしたら取り入れましょう。仮に潰せない場合でも諦めることなく、設計士に相談するなどベストな方法を模索してみてください。