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2017.09.01
ことわざに潜む生活の知恵
“ことわざに潜む生活の知恵”
ことわざは古くから言い伝えられている事象が元になり、現代でも生活の知恵として生かせられます。古めかしいことだと侮れません。ことわざの中でも、天気を表す場合は洗濯をしたり、出かける用事があったりする時に役立ちます。また、日常生活や習慣に基づいた物事も、健康に暮らすための知恵として参考になることもあるでしょう。
“燕が低く飛んだら雨”
燕が低く飛んだら雨ということわざはよく知られています。昔の人は観天望気で言って、空の様子を見て天候の予測に役立てていましたが、このことわざもその1つです。 燕は成鳥になると小さい羽のある虫をえさにします。木や枝に止まって捕獲するのではなく、空中を飛びながら同様に飛んでいる虫をくちばしでつかむのです。雨が降りそうになると湿度が高くなり、小さい虫の羽に水分が付き、体が重くなって高く飛ぶのが難しくなります。低い所を飛ぶので、必然的に燕も低めに飛んでえさを捕らえようとするのです。昔の人は生活上の経験を生かし、まだ雨が降っていなくても、燕が低く飛んでえさを探していると低気圧が近づいている前兆と考えて、知恵を後世に言い伝えるためにことわざとして残したと考えられます。 燕は渡り鳥ですので、1年中当てはめられる訳ではありません。日本で活動する春から晩夏にかけて見られる光景で、梅雨の時期に大いに生活の知恵として役立つことわざです。
“西の空が晴れていると明日は天気”
西の空が晴れていると明日は天気ということわざがあります。翌日に晴天が期待できることを表します。西の空に夕日が沈む時に空がオレンジ色に染まり、雲1つなく綺麗な状態で晴れ渡っていると明日もいい天気になるということを伝えています。 余程のことがない限り天気は西から変化することがほとんどです。日没の方向の西の空に太陽を遮る厚い雨雲がないため美しい夕焼けの状態になっています。雨雲がないということは、翌日の朝に太陽の日差しを防げる障害物がないので、翌朝も良い天気であると分かることから、自然とことわざにして伝わったとみられるでしょう。 ただし、夕方に晴れていたとしても赤黒い感じの夕焼けであれば、どこかに雨雲が発生していると考えられます。その場合は朝には晴れていても西から雨雲が来ることになり、途中から曇りや雨天になることもあるので、入り日の頃の空の色が明るいか、夕焼けは綺麗なオレンジ色かを確認するようにしてください。
“食ってすぐ寝ると牛になる”
食ってすぐ寝ると牛になるということわざがありますが、これは実際に起こりうることを示した物ではありません。小さい子供に行儀を身に着けさせ、しつけをするために言われていることです。牛は食事を終えた後に横になって寝ているように見えますが、人間も食べてお腹がいっぱいになると眠くなる場合があります。現代でも眠くなったからすぐに横になって眠るのは行儀が悪いと戒めるために親が子供に注意する場面が多く見られます。 ただし、牛になるということを脂肪がついて太るという比喩で使われた可能性も指摘されています。食後にすぐ眠ってしまうと食べた物がエネルギーとして使われず、脂肪として体に溜まり肥満してしまうのを防ぐために言い伝えているという説もあるのです。現在では、食後に横になり体を休めると消化機能が働いて胃腸に負担がかかりにくくなると証明されています。横になるのは構いませんが、しっかりと睡眠を取ると胃腸の働きが鈍くなるので、食べたばかりの時は完全に寝ないように気をつけましょう。
“まとめ”
ことわざには普段の天気や動物の習慣を観察し、生活の知恵として後世の人に脈々と伝ええられた物が多いです。現代では一部当てはまらない物事もあるかもしれませんが、多くは先人の経験の積み重ねが現代に生きる人達に役立っています。ことわざは多数の種類がありますので、どのような意味があるか調べてみると面白いでしょう。 "