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2017.09.01
全国各地の子育て支援シリーズvol2〜中部エリア編〜
育児は楽しいものですが、すべてを家庭だけで負うのには負担が大きすぎます。全国の自治体では各々特色のある、アイデアを凝らした育児支援を行っています。中部エリアではどんな支援をしているのか、3つの県に絞ってその特色をご紹介いたします。 “愛知県の育児支援は不妊の相談から” 愛知県では、愛知県不妊·不育専門相談センターを置き、不妊·不育の相談窓口を開設しています。また不妊治療の費用を、特定不妊治療では1回につき15万円を1年度に2回まで、通算5年10回を限度に支援していて、一般不妊治療では自己負担額の2分の1以内で1年度45,000円を限度に2年間助成金を受けられます。 保育に関しては保育園·幼稚園·認可外保育施設·放課後児童クラブ·認定こども園の紹介もしていますが、病児·病後児保育の支援を行う施設の紹介の他、子どもを預かりたい人と、預けたい人をつなぐファミリー·サポート·センターを設置するなど地域での育児支援を促しています。県営住宅入居希望者で、小学校就学の始期に達する前の子どもがいる世帯が優先的に入居できる制度もあります。 “岐阜県は企業と共に育児支援を行う” 岐阜県では18歳未満の子ども1人につき1枚「ぎふっこカード」が付与され、参加企業や店舗の利用時にカードを提示すると、ポイント加算や割引の特典が受けられます。また18歳未満の子どもが2人以上いる世帯は住宅ローンの金利の一部の助成や、岐阜県住宅供給公社では小学生の子どもがいる世帯に家賃減額制度を行っています。 岐阜県のホームページでは子ども連れで出勤が可能な会社や、3年間育休が取れる会社、社内に保育園を作っている会社など、子育てのしやすいワークライフバランスが取れている県内の企業を「岐阜県子育て支援エクセレント企業」として認定し、紹介しています。また事業所内保育施設のガイドブックを作るなど、企業を巻き込んだ育児支援の推進をしています。 “三重県は男性の育児参画を重点視している” 三重県も特定不妊治療の一部負担がありますが、夫婦の合計年収が730万円未満であることや、女性の治療開始年齢が43歳未満などの条件があり、女性の年齢によって助成の回数や金額が異なっています。また県内の協賛しているスーパーや飲食店で提示すると、割引などのサービスが受けられる「子育て応援クーポン」が18歳未満の子どもがいる世帯や妊娠した人がいる世帯に付与されます。 三重県では男性の育児参画を推進しており、育児男子親子キャンプや、企業の上司が育児に参加する「イクボス」養成講座、「みえの育児男子倶楽部」などの開催を積極的に行っています。共働きなどの家庭の子どもが放課後に生活の拠点としている放課後児童クラブの他に、放課後児童教室を置き、地域の人たちに参画してもらって子どもたちに体験活動や学習を行う事業をしています。 “まとめ” 中部エリアの育児支援は幅が広い。晩婚化·少子化の時代にあって、育児支援が不妊治療から行われているのに驚きますが、女性の年齢や年収、治療の回数などで助成金額も細かく分かれて異なっているのに自治体ごとの考えが見えました。また家賃や住宅ローンの助成、県営住宅の優先入居など現実的な支援があるのは子育て世代にとって心強い事ではないでしょうか。 人口が減っていく事に、どこの自治体も逼迫感があり、育児は家庭や地域だけではなく、企業も含めた社会全体で行っていくのだという強い考えを感じます。受身の形で育児手当を付与されるだけではなく、男性も女性も育児をしながら健康的に働いていくというのが理想的な姿だと思えます。