今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。
さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。
その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。
ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。
二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。
ほんの少し、いかがですか。
2017年10月23日 霜降(そうこう)
文字のごとく、霜が降り始める頃です。
朝夕の気温はぐっと冷え込み、秋の深まりもより感じられます。
もみじや楓も色づく頃です。
2017年10月23日〜10月27日 霜始めて降る(しもはじめてふる)
こちらも文字通りの意味。
今までは草木に露が降りていましたが、これからは氷の結晶である霜が降りるようになっていきます。
農作物には霜は要注意です。農家の人たちは作物を守るために対策を講じます。
この季節の養生
『スポーツの秋』でもある季節です。
気候的にも動きやすい時期ではありますが、実は秋はあまりハードで汗を流すようなことは自然の流れには逆らった動きとなります。
自然の流れでは、春と夏はエネルギーを発散する時期。そのピークは真夏。秋と冬はエネルギーを溜め込む時期。そのピークは真冬。
冬に向かっている今の季節、自然界はエネルギーを溜め込み始める動きをしています。それは人間も然り。
適度に体を動かすことはもちろん心身に健康をもたらします。
何にでも言えるように、必要以上にやりすぎると逆効果をもたらすことがあるかもしれません。
身体の状態に耳を傾けてエネルギーの温存も気をつけていきたい、冬支度本番の季節です。
この季節のまめ知識
旧暦の8月15日の十五夜に続き、旧暦9月13日は『十三夜』です。
十五夜の後なので『後の名月』という別名もあります。
新暦で言うと、今年は11月1日(水)が十三夜です。
十五夜に次いで美しい月を愛でることができます。
十五夜は中国の風習が日本に伝わったものですが、十三夜は日本固有のもの。
どちらか片方だけお月見をすることは“片見月”といって縁起が良くないと言われています。
十三夜は収穫期ということもあり『栗名月』『豆名月』とも呼ばれており、十五夜のお団子に代わって栗や豆をお供えします。
ちなみに十五夜も収穫期であることから『芋名月』とも呼ばれます。
この季節に拾いたいもの
晩秋に入って来ると、その秋を感じ始めさせるかの如く落ち葉が目に入るようになってきますね。公園や街の沿道の木々の枝からは葉だけでなく木の実も落ちてきます。
これは自然豊かな地域だけのことではなく、数や場所は限られるかもしれませんが、大都会であっても楽しめるものです。
その代表格が“銀杏(ぎんなん)”です。
その地域の気候にもよりますが、イチョウの紅葉の見頃は11月の半ば以降。
銀杏が落ちるのはその前。9月下旬から11月上旬に旬を迎えます。
周知のごとく、銀杏の香りは強いので電車やバスで拾いにお出かけするのは、帰りに周囲の人に気を遣うことになりそうです。ご近所をブラブラお散歩がてらに銀杏拾いを楽しんでみてはいかがでしょう。
その際に注意すべきことは、素手で触らないということです。
皮膚がかぶれてしまいます。
軍手やトングなどで拾い、袋に入れて持ち帰り秋の味覚を楽しみたいですね。
ただ、イチョウの木の持ち主や管理者さんによっては拾うことを禁じている人もいらっしゃいます。その点にはお気をつけください。
拾った銀杏を、売っているような食べられる状態にするには“下処理”が必要です。
①まずはバケツなどに入れ2〜3日、水に浸して果肉を柔らかくします。(ラップをかけて強い香りが外へ漏れるのを防ぐといいかと思います)
②柔らかくなったら流水で果肉を洗い流します。この時もまだ素手だとかぶれやすいので厚手のゴム手袋をして行いましょう。
③数日間、天日干しをします。
☆殻をむいて、塩茹でや塩炒りや茶碗蒸しなどに。
参考文献
・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版
・『中医薬膳学』辰巳洋/東洋学術出版
・『実用中医学』辰巳洋/源草社
・国立天文台HPhttp://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/phenomena_s.cgi"