今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。
さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。
その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。
ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。
二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。
ほんの少し、いかがですか。
"2017年9月23日 秋分(しゅうぶん)"
お彼岸の中日。昼と夜の長さがぴったり同じになる日です。
この日を機に、夜の長さが長くなっていきます。
2017年9月23日〜27日 雷乃声を収む(かみなりこえをおさむ)
今までの汗かく暑さだった季節の風物詩の1つに夕立があります。近年では夕立というよりもゲリラ豪雨が多い印象ですが、いずれにしても雷も一緒に鳴り響くことも多い季節でした。
その雷が鳴り響かなくなる頃です。
空も、入道雲から鰯雲へ。本格的に季節は秋に突入していきます。
この季節の養生
立秋から秋分にかけては『温燥』の時期だとご紹介いたしました。
さらっとおさらいをすると『温燥』とは、残暑の熱と秋の乾燥した空気が入り混じっている状態のことです。
つまり、体を適度に動かしたり夏野菜などで余分な体の熱を冷ますこと、体を潤す作用のある食材を摂ることが、養生法となっていました。
秋分を過ぎると、暦の上では秋も後半に入ります。
後半は『涼燥』の時期です。
今までは夏の影響を受けていましたが、これからは冬の影響を受け始めます。
冬の寒気と空気の乾燥が入り混じった時期が『涼燥』。
冬も空気は乾燥していますから、寒気だけでなく乾燥度合いもより高まってきます。
とは言え、まだ9月です。
あせらずに『涼燥』対策に取りかかりましょう。
食養生では、以下のような食材を取り入れるといいでしょう。
肺を潤す作用のある食材は、
・いじじく
・あんず
・柿
・ハチミツ
・松の実
・卵
・白キクラゲ
・豆腐
・白ごま
・ヨーグルト
などがあります。
体を温める作用のある食材は、
・生姜
・にんにく
・ニラ
・ネギ
・味噌
・黒砂糖
などがあります。
この季節のまめ知識
旧暦9月のことを“長月”といいますが、別名“菊月”ともいいます。
さらに“寝覚月(ねざめづき)”や“紅葉月(もみじづき)”という異名もあります。
旧暦の9月は、新暦では10月後半頃からにあたる時期です。
その頃に見頃を迎えるのが、菊と紅葉。
そして、新暦10月後半にもなると夜もすっかり長くなったと感じられる時期です。
“長月”というのも“夜長月(よながつき)”の略とする説が最有力だそうですが、夜の長さを強調するこの月らしく“寝覚月”は夜が長くなったことで眠りから覚めることが多くなるという理由で名付けられたのだそうです。
この季節に食べたいもの
秋の味覚と言えば色々とありますが、その中でもひときわ贅沢な味覚はやはり“松茸”ではないでしょうか。
産地によって多少違いはあるものの、旬は9月〜11月にかけてが主流です。
松茸に限らず、キノコ類は秋の味覚ではありますが松茸以外のキノコ類は年中安価で安定してスーパーで並んでいますよね。
その理由はきっとお分かりの通り、人工栽培しているから。
松茸は、生きている松の根本に自生するもので人工栽培ができないため、その希少価値がゆえに高価な食材となっています。
香りのいい松茸を選ぶポイントは、
・柄が太く弾力がある
・カサが5分ほど開いたもの
・ヒダが白く湿り気を帯びているもの
です。
カサが開ききっていたり黒く乾いているものは、鮮度も香りも落ちているので注意して選びたいですね。
『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版
・『性味表大辞典』竹内郁子/青雲社
・『中医薬膳学』辰巳洋/東洋学術出版
・国立天文台HP https://www.nao.ac.jp
・キッコーマンHP http://www.kikkoman.co.jp/homecook/series/matsutake01.html"