今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。
さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。
その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。
ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。
二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。
ほんの少し、いかがですか。
2017年9月12日〜16日 鶺鴒鳴く(せきれいなく)
鶺鴒とは全長20センチほど、ほっそりとした体つきで、長い尾を上下によく振る姿が特徴的な鳥です。水辺を歩き回り虫を食べます。
この鶺鴒が「チチィ、チチィ」と鳴き始める頃です。
鶺鴒はなんと日本書紀にも登場しています。
イザナギとイザナミが男女の契りを交わそうとした時に、その仕方を鶺鴒から得たと記されています。
この季節の養生
カゼを引きやすい季節は冬という人が多いのではないでしょうか。
夏カゼという言葉もあるくらいですから、夏もカゼを引く人は少なくないのかもしれません。
では、春や秋はカゼを引かないのかと言うと、そうではありませんよね。
漢方では、季節ごとにカゼの原因・症状・対処法が異なります。(もちろん同じ部分もあります)
今回は“秋カゼ”についてです。
<主な症状>
・全身に熱を持っている
・胸が苦しい感じや痛さを感じる
・口や鼻の乾燥
・のどが渇く
・のどの痛み
・痰は少ないか、無い
・痰に血が混じる
・喘息
・鼻血
<原因>
秋は乾燥が際立つ季節です。
そして肺はその乾燥に最も弱い部分です。
さらに肺は、大腸・鼻・肌と密につながっています。
乾燥のために体内の水分が損なわれます。
その時に最もダメージを受けるのが肺。
肺がダメージを受けると、鼻やのどが乾燥したり空咳が出たり、痰が少なかったりするわけです。
カゼというわけではないですが、この時期に便秘になりやすいという人も肺の潤いが損なわれていると考えられるでしょう。
余談になりますが、喘息持ちの人がしばらく空気のきれいな場所で養生すると改善されたという話をよく耳にします。
言うまでもないでしょうが、肺は乾燥だけでなく、汚れた空気にも最も傷つきやすい部分です。
<対処法>
前回の『この季節のまめ知識』でご紹介した葛。
葛湯や葛根湯としてもいいですが、料理にとろみをつけるのに葛粉を利用したり、葛粉でゼリーを作ってみるなど日頃から取り入れるのもいいでしょう。
薄荷(ミント)・菊花・桑の葉も秋のカゼの発熱やのどの痛みに良いとされています。
そして、体を潤す作用のある食材も摂取する必要があります。
優秀な食材はやはり秋に旬の梨と柿。旬には少し早いですがリンゴも優秀。
熱を取り除く作用と、潤す作用の両方を兼ね揃えています。
びわも肺や体を潤し、空咳やのどの痛みに効果的です。
旬ではないので手に入りにくいかもしれませんが、缶詰でも代用できます。
蜂蜜や牛乳も肺を潤します。また、大腸の乾燥による便秘にもお勧めです。
この季節のまめ知識
2002年までは9月15日が敬老の日でしたが、翌年からは第3月曜日と変更になりました。
敬老の日というのは、ご年配の方を敬い長寿をお祝いする日ですが、変更になった理由は“ハッピーマンデー制度”の導入のためです。
そうすることで、土日の2連休にくっつけて3連休以上の休日をより多く国民が取れるようにというのが目的。
2015年には秋分の日との兼ね合いで5連休となり、シルバーウィークがありました。しかしシルバーウィークがあるのは実は数年に一度のこと。今年は昨年同様、単なる3連休が9月16日(土)から始まります。
今年は18日が敬老の日です。
この季節に食べ納めたいもの
夏に旬のイメージを持っている人がおそらく多いはずの枝豆。
まさにその通りで、旬は6月から。
そして9月になった今もまだ旬の時期。
今は、旬の時期でなくても年中出回っている食材が多いですが、1番美味しい時期の枝豆の食べ納めは9月です。
栄養学的に見ると、ビタミンB1・B2やカリウムが豊富です。
薬膳学的に見ると、脾・胃・腎に良いとされています。
脾・胃に良いということは消化機能を高めてくれます。
腎というのは一言で言ってしまえば元気のもとを作る部分。そこを補う作用があります。つまり元気を補ってくれる食材です。
・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版
・『女子漢方』矢久保修嗣・木下優子・上田ゆき子/法研
・『中医薬膳学』辰巳洋/東洋学術出版
・『性味表大辞典』竹内郁子/青雲社"