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2017.09.01

住む? 売る? 貸す? あなたの空き家問題、どうしますか?

住む? 売る? 貸す? あなたの空き家問題、どうしますか?

新築のマンションや戸建てがあちこちに建ち並び、人々が新しい生活を始めている中、増え続けている空き家が問題視されています。 総務省統計局の2015年住宅・土地統計調査によると、日本の空き家数は820万戸。 日本の住宅総数は約6100万戸あり、空き家率は13.5%と過去最高になっています。 これは住宅の7軒に1軒が空き家という計算になります。 空き家は過疎化している地方だけの問題ではなく、東京、大阪といった都市部でも増え続けています。現在わが国では、この放置されている空き家を深刻な問題として対策を取り組んでいます。    

“放置されている空き家の問題点”

  売るか、貸すか 家族で賑やかに住んでいた家が、子供が巣立つことによって親だけになり、その親が亡くなって空き家となる……。 そんな悲しい空き家が年々増え続けている日本。 住宅街に入ると、誰も住んでいないのが見てわかるほど荒れ果てた家が目に入ります。 数年、管理もしないで放置されている空き家は、どんどん傷んできます。 とくに戸建は、屋根の瓦が落下したり、壁が剥がれ落ちてきたりといった見た目でわかる劣化や、シロアリの被害や雨もれといった構造体からの劣化が原因で、いずれは倒壊する恐れも出てきます。 庭は雑草がボウボウと生え、朽ち果てた建物にはツタが絡む姿は、景観的にもよくありません。 野良猫やネズミ、害虫が住みついたり、ゴミを不法投棄される場所になる可能性も出てきます。 こうなると、ご近所トラブルにもなりかねません。    

“日本人は中古住宅を好まない”

  日本と違って欧米では、何世代にも渡りひとつの家に住み続けるのが常識です。 2013年の中古住宅の流通シェアは、日本で14.7%。 これはアメリカやイギリスの6分の1のシェアで、世界的にもとても低い数値になります。 たしかに日本の戸建は、築15年もすると古いイメージがありますが、イギリスでは築60年、70年でも問題なく住んでいます。 日本人は、古くなった物件を購入して住もうという考えは少なく、新築物件を選ぶ人が多いようです。 住宅の購入を考えるとき、「新築のほうが入居したときに気持ちがよい」「中古は前にどんな人が住んでいたのかわからない」「はじめから中古は興味がない」などの考えのようです。 とくに地方では、自分で家を新築して一人前のような考えのところもありますから、中古を購入するという考えはないのでしょう。 昨今、都市部では、中古をリノベーションした物件が人気になってきましたが、それでも新築物件が次々と建てられているのが現状なのです。    

“「貸す」または「売る」”

  貸すか、売るか もし自分が住んでいた実家が空き家となったら、あなたはどうしますか? 仕事や家庭の都合で自分で住むことができない場合、「貸す」または「売る」しかありません。 空き家のほとんどは、昭和55年以前に建てられた建物で、老朽化してそのままでは住むことができないため、とても買い取って住みたいとは思わないのです。 空き家を人に貸すには、住める状態にするのはもちろんのこと、メンテナンスが必要になります。 他人に売るには、リフォームをして売るか、解体して更地にして土地として売るしかありません。 リフォームしても解体しても数百万という費用がかかりますし、手続き等が大変なのは覚悟しておきましょう。    

“空き家を有効に活用する”

  空き家を公共の施設として利用したり、街のコミュニケーションの場として活用しようと取り組みが進んでいる自治体があります。学童保育やギャラリーとして活用し、自治体で助成金を補助するというものです。 このように空き家対策は、各自治体でも深刻な問題として考えています。 また、空き家を宿泊できる「民泊」に活用する方法も増えてきています。 ホテルと違って、気軽に安く泊まれるのと、古民家的な感覚が外国人の間では人気が出るかもしれませんね。 さらに、パーティや集会の場所として、時間制で貸し切るレンタルスペースとして貸し出すこともできます。 どんな方法で有効活用するにも、手続きや費用はかかりますが、空き家のままにしておくよりは活用したほうがよいでしょう。 貸すか、売るか 東京郊外にあった私の主人の実家も、空き家の状態で5年ほど放置していました。 主人にしてみれば、思い出が詰まった家を手放すのには迷いがあったようです。 私たち家族が住むには、不便な場所のため無理がありました。 あるとき、大きな台風で屋根の瓦が飛び、屋根の一部が崩壊。 そのままでは危ないと、隣人から苦情を受けてしまい、それをきっかけに更地にして売りました。 空き家は住んでいた人の思い出がたくさん詰まった場所です。 兄弟、親戚等でよく話し合い、よい解決策が見つかることを願います。 "

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